ずさんな報告でも第三者委員会が権力を握る訳 信頼性に乏しい報告書が量産され続けている
この事件では、その後、元社長らが刑事責任を問われ逮捕されたものの、元社長は嫌疑不十分で不起訴処分となった。しかし、一部の元執行役員には業務上横領と有印私文書偽造・同行使の罪で実刑判決が言い渡されている。
不十分は報告書の量産はまだ続いている
委員会の結論が徐々に先鋭化したのは、処分の見極めに関わる証券取引等監視委員会が一連の報告書の信頼性の無さに懸念を抱くこととなったからだとも言われている。いずれにしても、少なくとも最初の社外調査委員会(報告書)は、無用の長物であるばかりでなく、逮捕までされた経営者たちの罪を、結果的に覆い隠す役割を担ったという点で、有害でさえあった。
同じ第三者委員会の体裁を取って同じ事案を調査しながら、結論に天と地ほどの違いが出たという現実を目の当たりにして、周囲の不信感は増幅された。関係者の危機感も高まったのである。翌10年「日弁連ガイドライン」ができたのは、この一件がきっかけだったのである。残念ながら、日弁連ガイドラインが作られた後も、不十分な報告書の量産が続いている。しかし、第三者委員会自体の認知度、ある意味「ステータス」は、確実に高まってきている。
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