森トラスト「ホテルほぼ休業」に踏み切った事情

伊達美和子社長が語るコロナ「本当のリスク」

森トラストグループが運営するシェラトン沖縄サンマリーナリゾート。4月20日から5月6日まで臨時休業となった(写真:森トラスト)  
新型コロナウイルスのホテル業界への影響が、具体的な数字として現れてきた。
全国の241ホテルが加盟する全日本シティホテル連盟によると、2020年3月の全国平均客室利用率は32.2%と、前年比で52.7%ポイントも減少した(調査協力は136ホテル)。
政府が緊急事態宣言を発令した4月7日以降も、多くのホテルで「稼働率は2ケタに乗せるのがやっと。日銭商売のため手元のキャッシュが少なく、資金繰りが大変厳しい」(業界関係者)と悲鳴があがっている。
食事は部屋食とするなど、コロナ対策を徹底して顧客を呼び込もうとする旅館や、出社を禁じられたビジネスパーソン向け「リモートワークプラン」を提案するホテルなど、各施設とも収入確保に躍起になっている。
そんな中、森トラストは4月18日、グループで運営する19ホテルのうち、東京と新大阪のコートヤード・バイ・マリオットを除く17ホテルの休業に踏み切った。同社の伊達美和子社長に決断の背景と今後の展望について尋ねた(インタビューは4月22日、リモート形式で実施)。

観光客の感染拡大が医療崩壊を招く

――森トラストグループが運営する19ホテルのうち、17ホテルの休業に踏み切りました。運営を継続するホテルが少なくない中、なぜそのような決断に至ったのでしょうか。

ゴールデンウィークは「コロナ禍でも旅行がしたい」というニーズから予約が入っていて、稼働率も前年こそ割り込むものの、そこそこの水準が期待できた。ただ、今の状況を考えると、新型コロナウイルスの拡大を防いで、(影響の)長期化を抑制し、できる限り経済的な環境の悪化を招かない状態にしなければいけないと考えた。

特にリゾートホテルの場合、ゴールデンウィークは4月7日に緊急事態宣言の出された7都府県からの客が8~9割を占める。ホテルが地域の感染拡大リスクの受け皿になってしまう。仮に収入があったとしても、地域に拡大させたらもっと収入が落ち込むことになるし、自分たちのホテルで感染が発生すれば、このホテルはおそらく休館に追い込まれる。

医療機関も住民の数に対して整備されているため、観光客の感染(の拡大)は医療崩壊を招く。地域に付加価値を生み出すべきディベロッパーが、ホテルの営業を続けることで地域に「負の遺産」を生み出しかねない。

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