楽天モバイル綱渡りの携帯参入に勝算はあるか

大手3社に風穴開けるべく対抗策もテコ入れ

2020年1月に開催した楽天の携帯電話事業の説明会(写真:ZUMA Press/アフロ)

楽天モバイルは携帯電話の商用サービスを、NTTドコモなど大手キャリア3社の寡占市場に風穴を開けるべく4月8日に開始した。東京、大阪、名古屋の三大都市圏をカバーする自社回線を除いたパートナーエリアでのデータ通信量を引き上げたことで、顧客の乗り換えも促す方針だ。

コロナ対応きっかけにテコ入れ

「楽天の三木谷浩史社長も3月の4Gサービス発表の時にここまでやっていれば、本当に業界に衝撃が与えられたのに」――。

サービス開始時、業界関係者の間ではこんな反応が少なくなかった。楽天モバイルは当初、自社回線地域外で追加料金なしで利用できるデータ通信量を2GBとしていた。4月22日から5GBまでに引き上げているが、上限を超えた後の通信速度も最大128kbpsから最大1Mbps(動画も閲覧可能な通信速度)に高めたのだ。

楽天が3月3日に4Gサービスを発表した際は、基本プラン料金の2980円が先着300万人に無料という破格のキャンペーンはあったものの、データ通信量が無制限となるエリアが三大都市圏に限定されていることなどから、「期待外れ」「落胆モバイル」などの批判が相次いだ。NTTドコモの吉澤和弘社長も「これで使い放題と言えるのか」と批判の姿勢を隠さなかった。

このような批判があったうえでの今回のサービス拡充なだけに、楽天は新型コロナへの対応をきっかけとして、携帯電話事業へのテコ入れを強めたとみることもできる。

楽天モバイルの自社回線は東京・大阪・名古屋の3大都市圏周辺にしか4月のサービス開始時点では整備されておらず、国内のほとんどの地域はKDDIの回線(パートナーエリア)を使う。

こうした他社回線におけるデータ容量5GBへの引き上げは、格安スマホユーザーの楽天モバイルへの乗り換えを促す効果も期待できる。特に三大都市圏以外の地方部における格安スマホユーザーにとっては、キャリア回線である楽天は通信速度、通信データ量が安定しているのが強みだ。

2980円(税抜き)、データ上限5GBで、上限を超えた後でも最大1Mbpsの通信速度が確保されるのは、実質的に格安スマホユーザーにとっては“UN-LIMIT(無制限)“といえるのではないだろうか。

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