コロナ禍を追い風に与党が圧勝した韓国総選挙

対日改善は期待薄、南北関係で進展できるか

新型コロナウイルスの感染が続く中、対策が徹底されたうえで投票が行われた(写真:ロイター/Kim Hong-Ji)

新型コロナウイルスの感染が続く韓国で4月15日に行われた総選挙では、与党「共に民主党」が大勝利を収めた。任期5年の折り返し地点を過ぎた文在寅大統領は政権後半のレームダック化を免れ、任期終了まで安定した議会運営を行えるようになった。

300議席中180議席の与党圧勝

総選挙の結果は、定数300に対し「共に民主党」と「共に市民党」が、改選前の123議席から180議席となり安定多数を獲得。最大野党の「未来統合党」と「未来韓国党」は122議席から103議席へ減らし、惨敗した。「共に市民党」と「未来韓国党」は、定数の約6分の1を占める比例代表制の制度が変更されたため、与党・最大野党側が比例代表制専門でにわかに設立した政党だ。「共に民主党」は60%以上の議席を得たため、憲法改正案を除く法案を単独処理できる勢力となり、国会議長や国会内の各常任委員長の選定でも主導権を持てるようになった。

与党大勝利となった最大の要因は、現在進行中の「コロナ事態」のためだ。韓国では4月21日現在で1万人超の感染者数が発生しているものの、人口当たりの感染者数は他国よりも相対的に少なく、かつ検査態勢や情報公開といった面で世界から高く評価されていた。危機にあっては現職の政権に任せたほうが安心、という国民心理も働いた。

同時に、選挙戦で野党側が攻撃していた経済政策面での与党の力不足や、2019年秋に大批判を浴びた法務相任命スキャンダルなどに対する世論の関心が、「コロナ事態」で低くなったことも与党側には幸運だった。未来統合党は、感染者が急増した3月ごろから水際対策の不備を突き、核心支持層である保守層の票固めと中道・浮動層の取り込みを図ったが、現実は厳しかった。逆に、批判ばかりの野党側に国民が不信感を募らせただけに終わった。

それは、大票田であるソウル首都圏121選挙区の得票状況を見るとわかる。共に民主党が103、未来統合党が16議席と、与党の圧勝に終わっている。この結果は、「コロナ事態で現職有利」というだけでは説明できない。韓国にはこれまでも保守(野党)と進歩(与党、革新)という2大対立があるが、その関係に変化が生じつつあるのだ。

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