日経平均595円高、買い戻後の「一段高」はあるか 3月の戻り高値を更新、「上放れのパターン」に

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 4月14日、東京株式市場で日経平均は急反発した。東京証券取引所で2018年10月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 14日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は急反発した。前日の米国株式市場が高かく、米国経済の再開期待からも朝方から買い優勢の展開。チャート上の節目として強く意識されていた3月25日の戻り高値1万9564円38銭を更新して上放れのパターンとなり、市場は上げ潮ムードとなった。テクニカル的に上昇指向が強い動きとなったこともあって、ショートカバーが活発化したという。巨額な赤字見通しを発表したソフトバンクグループ<9984.T>が堅調なことも市場に安心感を与えた。

13日の米国株市場でナスダック総合やフィラデルフィア半導体指数<.sox>が上昇したことを受け、半導体関連や電子部品関連が買われた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による影響が懸念される米企業決算の発表シーズンを控える中、堅調に推移した前週の反動が出た。

これを受けて、朝方から日本株も買い優勢で始まったが、後場に入ってから戻りの節目を突破してから、さらに上げ足を加速。一時600円を超す上昇となり「商いが細り売り板が薄い中、節目を突破しただが、さらなる上値を期待できる動きになったと言える」(SBI証券・シニアマーケットアドバイザーの雨宮京子氏)という。

市場では「きょうの日本株の上げはショートカバーが中心だ。ソフトバンクグループをみても、前日に出した巨額の赤字見通しはネガティブに受け止められる材料だが、安いところで買い戻しが入った」(松井証券・シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏)との声が聞かれた。

TOPIXもしっかり。東証33業種では、小売業、海運業、サービス業などの上昇が目立ち、値下がりは空運業と建設業だけだった。東証1部の売買代金は、2兆2679億0300万円だった。

個別では、安川電機<6506.T>が大幅続伸となったほか、トヨタ自動車<7203.T>など主力輸出関連株も総じてしっかり。ソフトバンクグループが朝安で始まった後上昇に転じ、指数寄与度が大きいファーストリテイリング<9983.T>も高い。半面、清水建設<1803.T>が売り優勢となった。

東証1部の騰落数は、値上がりが1649銘柄に対し、値下がりが465銘柄、変わらずが55銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      19638.81 +595.41

寄り付き    19150.30

安値/高値   19093.12─19705.99

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1433.51 +27.60

寄り付き     1409.99

安値/高値    1406.67─1436.30

 

東証出来高(万株) 130689

東証売買代金(億円) 22679.03

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