アメリカの履歴書に「年齢欄がない」納得の理由 なぜ「中年は若者に劣る」と断言できないのか

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自分が積み重ねてきたもの、そして年齢なりの味や価値を再度考えてみましょう。必死に無理な若づくりをするのは痛々しいかもしれませんが、ある程度の年齢になって以降も、年齢なりに人生をエンジョイすることはできます。

魅力的な「年の重ね方」とは?

いや、むしろどんどんするべきです。時折、ビックリするくらいオシャレなファッションのお年寄りを見かけることがありますが、本来は、若いころよりも歳を取ってからのほうが、知識や経験、収入や知り合いが増える分、楽しく生きるための選択肢も増えているはず。

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誰にでも、そうなる可能性を秘めています。どんな年齢になっても、そのときなりの「最高」があるものです。20代に「最高」だったスタイルを、30代以降も続けていると、どこかで無理な若づくりと受け取られてしまうかもしれません。ですが、つねにそのときどきの「最高」を見つけ、更新し続けることができれば、他者から見ても魅力的な年齢の重ね方ができるはずです。

身体能力の衰えだけは避けられませんが、運動する習慣を身につければ、ある程度のラインはキープできます。

楽しく生きるためにも心身のコンディションは大切ですから、心身の健康にはしっかりと気を配って人生を楽しみましょう。若者とはまた違った魅力で輝くことができれば、年齢バイアスの意味がひっくり返ることだってあるかもしれません。

堀田 秀吾 明治大学教授

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ほった しゅうご / Syugo Hotta

言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。研究の一方で「学びとエンターテインメントの融合」をライフワークとし、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書等を多数執筆、テレビ番組「ワイド! スクランブル」のレギュラー・コメンテーター、「世界一受けたい授業」「Rの法則」などにも出演する等、多岐にわたる活動を展開している。

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