「コロナパニック売り」後の相場はどうなるのか 途方もない恐怖の後に待ち受ける相場の行方
もちろん、主要国の経済指標や企業収益の悪化は、すでに歯止めがかかったわけではなく、これから一段と悪くなっていくことが確実視される。それにより、「株価下落の第2波」が今後生じる展開がありそうだ。
それでも、実態の悪化度合いをしっかり把握しながら、株価が下値を探る、という下落第2波は、パニック売りの第1波を凌駕する下げ方にはなりにくい。大幅な最安記録更新となるより、底固めの様相が強い相場付きだと予想する。
「株式市場以外でのパニック」も一巡
実はパニック売りの様相が表れたのは、株式市場だけではない。一時は、アメリカにおいては、多くの企業の間で、自社の収入減による資金繰りの悪化だけではなく、銀行の貸し渋りや社債市場の混乱による起債の難航なども資金繰りの危機を引き起こしかねない、との懸念が広がった。
そのため、ドルの現金を手元に置こうとの動きを強めた。また米金融機関も、企業向け融資の貸し倒れなどを警戒し、やはり現金の保有を厚くしようとしたようだ。
こうしたパニック的な「米ドル現金集め」により、安全資産とみなされているアメリカの長期国債や金(GOLD)すらも、売却し現金化しようとの動きがかさんだ。
景気の悪化が懸念され、米連銀が大胆に短期金利を引き下げたことから、通常は長期金利も低下するはずだ。しかし同国の10年国債利回りは、3月初旬には0.5%近辺まで低下していたものが、急速に上昇し(国債価格は急速に下落)、3月18日(水)には1.2%を超える動きとなった。一方、NY金先物価格は、やはり3月初旬には1トロイオンス(約31.1グラム)1670ドル前後にあったが、3月19日(木)には1500ドル割れで安値を付けた。
しかしその後は、10年国債利回りは低下して(国債価格は上昇して)1%以下で推移しており、先週末は0.73%となっている。金価格も大きく戻し、1750ドル近辺に達している。すなわち、債券市場や国際商品市場でも広がった、米ドル現金集めのためのパニック売りが、一巡したと解釈できる。
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