「子供とずっと一緒で辛い」人が忘れていること

米国製エリートが学ぶ「幸福の授業」の教え

私も年をとってから、意識的に愛情表現を取り戻そうとしている。それは特に息子たちにも関わることだからだ。愛情表現は私たちの絆を深め、彼らの人生には信頼を、私の人生には年月を加えると確信している。

子どもと手をつなごう

子どもができるまで、手をつなぐことが楽しいと思ったことはなかった。

私たちが子どものためにすること、たとえばサッカーの練習、車の運転、つまらない映画、リモコン設定、子どもたちに自分よりいい生活をさせるために働くことなど。それぞれの作業は、たいていの人ならできることだろう。しかし子どもがいなければやらないことばかりだ。駄作の誉れ高い『絵文字の国のジーン』を見るのもその1つだ。

しかしそれらが積み重ねられると、何かの本能が刺激される。自分がより大きな目的を果たしている気になる。それは進化に関わるものだ。

子どもの手を握ることほど、この満足感を凝縮した行為はほかにない。

どの子の手も親の手の中にすっぽりと入る。こんなとき、たとえいま死んでも、少なくとも地上に自分の生きた証しと成功を残せたのだから、そこまで悲愴ではないと感じる。自分は親になり、子どもの手を握っているのだから。

7歳の末の息子は、一緒に外を歩いているとき、自分から手をつなごうとする。それはまるで魔法のようだ。

息子は家では未開人であり、家族みんなを恐怖に陥れる。しかし野に出ると少しおじけづき、自分を守ってくれる人に触れて安心を得ようとする。彼はまず母親の手を求める。私は控え選手だが、それも悪くない。

私が親を1人の人間として見られるようになったのは、6歳か7歳のときだった。

親も消費者ブランドと同じで、子どものころは、2つか3つの特徴しか覚えていない。年齢を重ねて人間は複雑なものであると理解できるようにならないと、細かな機微は見えてこないのだ。

私の母は頭がよくて、私を愛してくれて、とてもまじめだった。父は努力家で、家の中では物静かだったが、知らない人の前に出ると社交的になり、人好きのする魅力を振りまいていた。

子どもが大きくなったとき、親をどんなふうに覚えているか、想像するのは難しい。私は父から、いくらか怒りや激しさを受け継いだ。それが原因で、家庭がやや暗くなるときがある。

しかし私は、子どもたちが父親について「いつもキスをしてくれた、いつも手を差し出してくれた」と思い出してくれるよう努力している。私は愛情表現を取り戻しているのだ。

(翻訳:渡会圭子)

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