自粛中にゴロゴロする人と勉強する人につく差 社会人は今こそ「学び直す」いいチャンスだ
私は『「超」独学法』という本で、これを強調しました。独学が特に重要なのは、社会人になってからの勉強と、外国語の勉強です。これらについて、多くの人は、専門学校や英会話学校に通えば、自動的に知識や学力がつくような錯覚に陥っています。
そんなことはありません。
基礎的な内容を教える学校教育の場合には、学校に通っていれば、自然に学力がつきます。しかし、社会人になってからの勉強や外国語の勉強では、そうはいかないのです。「何をどのように勉強するか」という「カリキュラムの作成」は大変重要な課題です。そして、同時に、難しい問題です。
社会人になってからの勉強は、学校教育のように誰にも当てはまる教育内容では、うまくいかない場合が多いのです。人によって目的が違いますし、これまでの知識の蓄積度が違います。それらに応じてカリキュラムを作り、学ぶ内容を選ばなければ、意味がありません。
独学でもカリキュラムが必要
外国語の場合も、仕事で用いようとする場合には、分野ごとに異なる外国語を勉強する必要があります。「英語」といっても、車の営業をしている人に必要な英語と、経済学の理論を勉強するために必要な英語は、まるで違うのです。
ところが、社会人教育のための専門校は、学びたい人の状況に応じたカリキュラムを組み、個人ごとに違う内容を選んで教えてくれるわけではありません。多くの人にあてはまる一般的な内容のものとならざるをえないのです。
もともとこうした学校は商業ベースで経営されているので、教える人たちの生活を支えることが何よりも優先事項です。
ですから、独学の場合も、ただ闇雲に勉強すればよいというわけではありません。カリキュラムの作成が必要です。それは、決して容易な課題ではありませんが、自分で行うほうが、ずっと効率的です。
もう1つ、教材の問題があります。一昔前であれば、学習のための資料を探し出すのが容易ではありませんでした。このためには、教師が用意してくれた学習カリキュラムに従って、その教材を勉強することが有用であった場合が多かったのです。
しかし、いまでは、ウェブを探せば教材は山ほどあります。むしろ、多すぎて選ぶのに困ってしまうでしょう。したがって自分がどのようなことを学べばよいかを考え、それに応じて勉強していけばよいのです。
外国語の勉強については、昔から多くの人たちが独学で学習してきました。最も有名なのは、ハインリヒ・シュリーマンでしょう。彼は、トロイの遺跡を発掘したことで知られるドイツの考古学者です。
この人は、まともな学校教育を受けることができなかったのですが、外国語については成人してから、まったくの独学で学び、何十カ国の言葉を巧みに操ったと言われます。そうした技能によって彼は事業に成功し、そこで得られた経済力で遺跡の調査を行ったのです。
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