コロナ暴落後、いずれ更なる暴落がやって来る

衰退する米国が直面する「避けられない真実」

まさに法律を無視した何でもありの状態だ。すべてはFEDの違法性を隠すためのオムニバス形式をとっているわけだが、FEDがこんなことまでしなければならなくなったのは、新型コロナのせいだろうか。それはあくまできっかけであり、本質はリーマンショック後、2010年にオバマ政権と(ベン・)バーナンキFEDがはじめたQE(量的緩和)の副作用と考えるべきだろう。

オバマ政権下のQEで行き場がなくなったマネーは、債券市場のバブルを引き起こした。そこでの価格メカニズムを殺してしまっただけでなく、株式でも、現実とはかけ離れた「未来の空想利益」を前提にした「ユニコーン(企業価値が10億ドル以上の未上場企業)市場」を育てた。

利益を出しにくいものへ行き過ぎた投資をした顛末

さらに、この間のチープマネーをベースに成長したアマゾンやペイパルマフィアなどのビジネスモデルは、利益を出さず、低価格で先に市場シェアを取ってしまう手法だったため、アメリカ国内の雇用はレストランや前述のユニコーン系の企業が低賃金で吸収する一方、国内にはデフレとグローバリゼーションの弊害が残された。

今から思えば、その根源は画期的なイノベーションというより、QE下で中央銀行が生み出したこのチープマネーであったといえる。その典型である企業ウーバーは、既存のタクシー会社の利益を殺す一方で、「一見安すぎる乗車料金」と「高すぎる素人ドライバー報酬」のスプレッドは、投資家が負担してきたのである。ある意味、これは社会主義政策のようなビジネスだが、それを隠してきたのが中央銀行のチープマネー政策だった。

いずれにしても、ウーバーであれ、シェールオイルであれ、元々利益を出すのが難しいビジネスモデルへの行き過ぎた投資。この顛末が新型コロナによって噴き出したわけだが、そんな中で、NYダウなど代表的な株式の指標は戻り始めている。

その理由の一つは、ドナルド・トランプ大統領が、新型コロナによる全米での死者数が、最悪で24万人に達する可能性があるといったこと。これは国民に最悪を覚悟させる上では、非常に有効だった。

「最悪を想定せよ、さもないと最悪が起こる」はベンジャミン・フランクリンの有名な言葉だが、知る限り、その後のどんな時代でも、アメリカのリーダーには最低限、この資質と感覚は備わっている。その結果、ニューヨークの死者数がピークを打ったかもしれないという期待とともに、6日の株式市場には「今のうちに買わないといけない」という焦りが台頭した。

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