東京製鉄の新工場がついに稼働、激化する原料スクラップ争奪戦

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東京製鉄の新工場がついに稼働、激化する原料スクラップ争奪戦

巨大工場が静かに動き出した。11月末、電炉メーカー最大手である東京製鉄の田原新工場が稼働した。

愛知県田原市に位置する同工場の敷地面積は104万平方メートルで、同社最大だった岡山工場(46万平方メートル)の倍以上。自己資本2500億円のうち1600億円強をつぎ込んだ。自慢の無借金経営を一時的に返上し、三井住友銀行から200億円を借り入れた。

田原工場で製造するのは自動車向けなどの薄鋼板。これまで、不純物の多い鉄スクラップを原料とする電炉メーカーには建築用の鋼材は作れても、グレードの高い薄鋼板は作れないというのが業界の常識だった。だが東鉄はこの領域に挑戦し、開発を進めた。鋼板課を新設し、人員を重点投入するなど営業も強化。「今のところ建材が3分の2、鋼板が3分の1。これを田原工場稼働で早急に半々に持っていきたい」と同社の阪部英二常務は意気込む。

スクラップの奪い合い

田原工場の稼働に当たって注目されるのは納入先の確保だ。東鉄が見据えるのは自動車メーカー。すでに数社による製品テストも始まった。

東鉄が強みとするのは、電炉メーカーならではの価格競争力にある。さらに田原工場では自動車工場などで発生する高級スクラップの新断(しんだち)は使わない。「新断だと機械は安くて済むが、うちは長い目で見て機械は高くなるが安い原料を使うほうを選んだ」(大堀直人常務)。東鉄は価格の安いスクラップの強度を高める製造法を開発。安さと高品質を合わせて自動車メーカーに売り込む構えだ。

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