実際どれくらいお得?電車の全線「サブスク」 東急が発売、実証実験延期だが試算してみた

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これらをバラすと以下のように値段を分割でき、それぞれどんな使い方をすれば元が取れるかの参考になる。

電車:1万5000円
バス:5000円
電動自転車:3000円
109シネマズ:1万円
そば:3500円

電車は元を取るのは大変?

鉄道

電車は、単純な会社と家の往復だけなら普通の定期券のほうがいい。例えば、最短経路かつ東急線で最長距離と思われる渋谷・大井町―中央林間の定期券が1カ月1万2450円だ。

また、以前の記事(買い替え時にひと工夫、定期券の『ケチケチ術』)でも取り上げたが、例えば渋谷―菊名間の定期・1カ月9440円を持っている人が横浜へもよく出かけるという場合、定期券の区間を横浜―渋谷間に変えても1カ月1万110円で、差額は670円。菊名―横浜間(157円・ICカード運賃)を月5回以上乗れば元が取れる。横浜へ出かけられればいいという人はこれで事足りる。

だが、2区間以上の定期券を買う人にはメリットがある。月1万5000円で好きなルートで通勤も可能になる。さまざまな地下鉄路線に乗り入れるルートを持つ東急ならではの使い方だ。東京の地下鉄にはメトロ、都営ともにサブスクパスに相当する「全線定期券」があるが、こちらも2区間以上、T字形の経路の定期を作るような人向けの価格設定となっている。

例えば菊名―渋谷間(1カ月1万110円)と、田園調布―目黒間(1カ月5960円)を組み合わせたり、長津田―渋谷間(1カ月1万1270円)と二子玉川―大井町間(1カ月7530円)を組み合わせたりといった定期券が欲しかったという人にとってはお得だ。

菊名―渋谷、または目黒間という2ルートを使う場合、通常は菊名―渋谷間(1カ月1万110円)の定期券に加えて田園調布―目黒間の定期券(1カ月5960円)が必要になるが、サブスクパスなら4890円で目黒ルートも選べるようになる。長津田―渋谷/大井町間の人なら、長津田―渋谷間1万1270円に通常は+7530円(二子玉川―大井町間の定期券1カ月分)のところ、プラス3730円と半分の追加額で大井町ルートも選べるようになる。通勤距離が短くても副業で動き回るタイプの人にもいいかもしれない。

バス

バスが1カ月5000円は破格だ! 25回、12往復半で元が取れる。東急バス全線定期券は月9850円、類似のもので言うと京王バスの「モットクパス」(同じ運賃の区間ならどこでも乗れる金額式定期券)でも210円区間用で月9390円なので、これはかなりお得だ。

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