音楽教室のレッスン楽曲に著作権料払うべきか 東京地裁判決はJASRAC勝利、続く双方の対立

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まず、JASRACの主張を常務理事の世古和博氏に話を聞いた。
世古氏はJASRACの管理本部副本部長や常任理事を経て、2018年に常務理事に就任した。
世古氏は「判決はJASRACのこれまでの著作権管理が適正に評価された結果だ」などと主張している。

著作権管理が適正に評価された

――東京地裁の判決ではJASRAC側の主張がほぼ全面的に認められました。

JASRACがこれまで行ってきた著作権管理が適正に評価された結果だ。

世古和博(せこ・かずひろ)/1981年、青山学院大学卒業後にJASRAC入社。2014年に常任理事に就任。2018年から現職。(撮影:梅谷秀司)

(著作権料の徴収が認められると)音楽の幅が狭まって音楽文化の発展に影響するという意見や、受講料が値上げになると困るという(音楽教室側の)生徒やその保護者の声が出ていた。しかし、JASRACが使用料の支払いを求めているのは、音楽教室の講師の方や生徒、その保護者ではない。

われわれの主張は(原告であるヤマハやカワイなど合わせて)700億円以上の収入がある音楽教室を営む事業主が、音楽を利用するのに1円も対価を還元していないのは、おかしいのではないかということだ。そのことが理解されれば、多くの方からも今回の判決を理解していただけると思う。

――JASRACへの著作権料の支払いが生じると、音楽教室側は受講料を値上げせざるをえず、結局のところ教室の生徒や保護者に影響が出るのではないですか。

(JASRACが)請求している使用料を払うのは音楽教室の事業主だ。事業主が受講料を決めるのに、講師の給料や設備投資などの経費を考えるはずで、著作権料もその中に含まれる。費用に見合う受講料にするというのはビジネスとして当たり前だ。著作権料の支払いだけを取り出して、(受講料に)上乗せされることは事実上ないのではないか。

JASRACはこれまでも80年間、さまざまな音楽利用の場面で使用料を徴収しているが、徴収によって受講料などが値上がりしたということは今まで経験にない。

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