政府のコロナ対策「布マスク2枚」が決定の衝撃 危機に求められる安倍首相のリーダーシップ

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今求められるのは安倍首相のリーダーシップである。

全国的な感染拡大が進んでいないと安倍首相は話しているが、このウイルスの怖いところはどこかの時点で指数関数のように感染者数が急拡大するところにある。

緊急事態宣言を発し、国民が不安を感じることのないような体制を構築し、緊急経済対策をまとめあげ、今この時点で何よりも重要なスピード対応を行うことを期待したい。

日本経済をV字回復させるために

経済対策として、筆者個人では生活に困窮している人への速やかな支援を実現するため一律で1人10万円以上の給付を実施すべきではないかと考えている。

また、安倍首相の言う、コロナ収束後に「一気に日本経済をV字回復」させるというのであれば、何よりも職場である会社を守ることが重要だ。

どんなに小さな飲食店でもパートを2、3人は雇っていたりする。こうした飲食店がつぶれないような対策を練ることが必要だ。宿泊施設もつぶれてしまえば、V字回復後に旅行客が戻ってきたとき、受け皿がなくなってしまう。

彼らを守るためには、全額とは言わないが、政府による支援で、売り上げ補償、賃料・人件費の負担等はやむをえないのではないか。コロナ後の日本経済のV字回復を目指すためには、飲食店や宿泊施設への優遇的な取り扱いはやむを得ないものと思う。

最後に、2月27日の安倍首相の小中高・特別支援学校への休校要請は英断であったと筆者は考えている。子どもが家にいるから親が仕事に行けない、子供が学童に行ったら同じじゃないかなどと多くの批判もあったが、2月末の時点で国民に危機感を植えつける点では抜群の効果があった。

政治の真価が問われるのは「非常時」にどのような決断を下すか、である。国民や日本の経済を守るためにリーダーシップの発揮が何よりも重要だ。

植田 統 国際経営コンサルタント、弁護士、名古屋商科大学経営大学院(MBA)教授

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うえだ おさむ / Osamu Ueda

1957年東京都生まれ。東京大学法学部を卒後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。ダートマス大学エイモスタックスクールにてMBA取得。その後、外資系コンサルティング会社ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現PWCストラテジー)を経て、外資系データベース会社レクシスネクシス・ジャパン代表取締役社長。そのかたわら大学ロースクール夜間コースに通い司法試験合格。外資系企業再生コンサルティング会社アリックスパートナーズでJAL、ライブドアの再生に携わる。2010年弁護士開業。14年に独立し、青山東京法律事務所を開設。 近著は『2040年 「仕事とキャリア」年表』(三笠書房)。

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