レナウン・三陽、「名門アパレル」存亡かけた攻防 両社とも株主からも激しい突き上げを食らう

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レナウンは2019年12月末時点の現預金が53億円と、100億円弱あった約3年前から大きく減少。切り売りを続けた不動産などの保有資産もごくわずかとなった。毛利新社長は「資金繰りに関しては今のところ大丈夫。貸倒引当金の問題が解消されれば、攻めの姿勢に移ることができる」と話す。それでも今2020年12月期も売掛金を回収できないまま赤字が膨らめば、経営存続が危ぶまれる場面が出てくる可能性は否定できない。

三陽は株主が”身売り”を提案

レナウンと同様、度重なる赤字決算の末に瀬戸際に立っているのが三陽商会だ。屋台骨だったイギリスブランド「バーバリー」とのライセンス契約が2015年に終了し、その損失を「マッキントッシュ ロンドン」などのほかのブランドで埋め切れず、2016年度から3期連続で営業大赤字に陥った。

2018年末には販売職を除く社員の約4分の1に当たる247人の希望退職を実施し、人件費を大幅圧縮。さらに2019年夏には手薄な20~30代の顧客開拓を狙った新ブランド「キャスト」を立ち上げ、約30店舗を一気に出店した。

だが、短編映画を使った広告手法が顧客にうまく訴求できず、出店立地とターゲット層が乖離しているなどといった問題も露呈。キャストの売り上げは想定を大幅に下回った。既存ブランドも不振が続き、2020年2月期(14カ月の変則決算)も営業赤字を計上する見通しだ。

この状況に業を煮やしたのが、同社株を約6%保有するアメリカの投資ファンド、RMBキャピタルだ。2017年から株主となったRMBキャピタルは2019年12月、戦略的パートナーへの会社売却の検討を提案する書簡を三陽商会に送付した。

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