日本株、米経済指標発表前に読みづらい展開 日経平均続伸、終値1万4696円に

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3月28日、東京株式市場で日経平均は続伸。今月3日撮影(2014年 ロイター/Issei Kato)

[東京 28日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸。朝方は前日の米株安や円安一服感が意識され、売りが先行したが、次第に海外勢の買い戻しが広がり、日経平均は堅調に推移した。先物へのまとまった買いが観測され、指数を押し上げた。もっとも株価先行きの方向性が不透明といい、模様眺めの投資家も多いという。

米株安を受け、日経平均はマイナス圏からスタートしたが、午前10時ごろから徐々に下げ幅を縮小。前日に配当落ち分を即日埋める地合いの強さが示されたうえ、上値抵抗ラインとして作用していた200日移動平均線(1万4525円74銭=28日)を終値で上抜いたことで先高期待が広がったという。前日に権利が確定された配当金の再投資に伴う買いも指摘された。

ただ「基本的には外国人投資家の利益確定の買い戻しが主体で、積極的な買いは入っていない。来週に発表が予定されている米経済指標を前に株価の方向性が読みづらい」(いちよしアセットマネジメント執行役員運用部長の秋野充成氏)という。東証1部の売買代金は2兆円を若干上回る程度にとどまった。日経平均は200日線を回復したが、次は25日移動平均線(1万4742円35銭=同)が上値めどとして意識されるという。

寄り前に発表された2月の全国消費者物価指数は、指標となる生鮮食品を除く指数(コアCPI)が100.5となり前年比1.3%上昇。ロイターがまとめた民間予測と一致しており、株式市場への影響は限定的だった。

個別銘柄では、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684.T>が反発。28日付日本経済新聞朝刊は、同社が4月にも、スマホ向けに人気ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの最新作を発売すると報じ、材料視された。

一方、大幸薬品<4574.T>は大幅下落。消費者庁は27日、二酸化塩素を利用した空間除菌を標ぼうするグッズを販売する事業者17社に対し、表示を裏付ける合理的根拠がないとして、景品表示法の規定に基づき、措置命令を行ったと発表した。17社の中に同社製品も含まれていることから嫌気する売りが先行した。

東証1部騰落数は、値上がり1386銘柄に対し、値下がりが320銘柄、変わらずが91銘柄だった。

(杉山容俊)

日経平均<.N225>

終値      14696.03 +73.14

寄り付き    14576.25

安値/高値   14520.57─14713.45

TOPIX<.TOPX>

終値       1186.52 +9.62

寄り付き     1174.64

安値/高値    1168.78─1187.1

東証出来高(万株) 219266

東証売買代金(億円) 20351.4

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