AI活用で大きくコケる会社のダメすぎる実情

最大限使いこなすためにはコツが要る

当然、機械学習はまだ歴史の浅い技術ですから、ビジネスの成功への方程式が確立されておらず、PoC死の割合が相対的に高くなってしまいます。しかし、さまざまな機械学習プロジェクトを見ていると、成功への過程として必要な失敗をしているプロジェクトも多いながら、「ナイストライ!」と呼べる失敗だけではなく、「それ、そもそもトライする必要なかったよね」といえるような失敗も含まれているのが問題です。

こうした「不必要な失敗」の原因を分析すると、別の問題も浮かび上がってきます。例えば「現場からAIで解ける課題がでてこない」「事前に成功のPoCを定義しない」「実運用時のリスクやフローを把握できない」などなど……。PoCで検証すべき点が不明瞭なため、決裁者が自信をもって意思決定できないといった共通要因が見えてくるのです。

PoC死を招く危険ワード

現場を見ると、機械学習のエンジニアやプランナー、機械学習プロジェクトチームの間で、PoC死を誘発しかねないような「危険ワード」が飛び交っています。

「他社で聞いた課題に挑戦しよう」
「人間が説明不可能なフローをAIでやろう」
「手元のデータでできることをやろう」
「精度は高いほうがいいよね」

こうした、そもそも解くべき課題やゴール設定が間違っているとしか思えない、危険ワードが飛び交っている現場では現実離れしたイメージだけが共有され、プロジェクトが頓挫するケースが多いように思います。

例えば、「他社で聞いた課題に挑戦しよう」と、自社とは規模も得意も異なるにもかかわらず、「手元のデータでできることをやろう」とすると、データがあっても「AIをつくるための準備ができていない」ことが多く、そのままやっても、求める性能や機能にならないのです。

具体的には、やや専門的になりますが、正解ラベルがついていない、フォーマットが整っていないといったケースがよくあります。”とりあえずやってみよう”的な進め方をすると、投資した分だけ損をしてしまう事態にもなりかねません。

こうしたことを避けるには、危険ワードに振り回されず、成果の上がる機械学習に取り組んでいく必要があります。

次ページ「ビジネスインパクト」を考慮しないケースも!
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