あのブラックベリーが挑む「大転身」の勝算

次世代自動車の陰の主役に?米CES最新報告

CES2019で、ブラックベリーは自社のデジタルコックピットシステムを供給したアウディQ8を展示した(記者撮影)

毎年1月にアメリカのラスベガスで開催される国際的なテクノロジーの祭典「CES」。従来は最新のテレビやスマートフォンなどを発表する家電見本市だったが、昨今は次世代自動車開発が技術開発の主戦場になったことを反映し、さながらモーターショーの様相を呈している。

今年のCESでも、約680社が自動車関連の展示を披露。完成車メーカーの発表にこれといった目玉がなかった一方で、部品やシステムメーカーの着実な技術進歩が見てとれた。アメリカのクアルコムは5G通信技術を活用した車同士、車と信号機との通信実験を披露した。また、アメリカのエヌビディアがAI半導体を複数搭載した新自動運転システムを発表するなど、次世代自動車のベースとなる新技術が続々登場した。

会場の外でも、ライドシェア大手のアメリカのリフトとイギリスの自動車部品メーカー、アプティブによるロボットタクシーが混雑した繁華街で客を乗せて走行実験を重ねるなど、本格的なCASE(コネクテッド・自動化・シェアリング・電動化)時代が着々と近づいてきていることを確信させる内容だった。

車載向けソフトウェア企業へ転身

こうした次世代車向け技術の展示ブースが集まる会場の一角に、意外な企業が出展した。カナダのブラックベリーだ。ブース内には、世界で初めてレベル3の自動運転技術を搭載したアウディ「Q8」や、アメリカのフィスカー「カルマ」のコンセプト・カーが展示され、人だかりができていた。巨大なパネルには「1.2億台の自動車に供給」という文字と、フォルクスワーゲンやトヨタ、GM、ボッシュなど、世界有数の自動車・サプライヤーメーカーの企業名がずらりと並んでいた。

ブラックベリーといえば、画面の下の小粒なキーボードでお馴染みの携帯電話で知られる企業だ。10年ほど前までは、日本でも愛用しているビジネスパーソンをよく見かけたものだが、最近はとんと見なくなった。それもそのはず、同社は2016年に携帯電話の製造から完全に撤退し、次世代車に必須の車載向けなどに注力したソフトウェア企業として大転身を遂げていたのだ。

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