フランス発25万円スピーカーは何が凄いのか

パトロンが支援、フランス起業ブームの実態

パリ・オペラ座内のデビアレ旗艦店(写真:デビアレ)

年に2回、一流ホテルの会場で開かれる百貨店・伊勢丹のお得意様向け展示販売会、通称「丹青会」。9月初旬に開催されたこの会で、目の肥えた客たちをうならせたのが、「ファントム」と名づけられた日本初上陸のワイヤレススピーカーだ。

卵のような形の機体には、左右に丸い金属板がはめ込まれており、曲が低音に差し掛かるとブルブル振動する。高さ約25センチ、幅約25センチのコンパクトな大きさからは想像できない、体にズシリと響く音を再生できるのが特徴だ。1台約25万~40万円(税込み)と値が張るが、2日の期間中、複数台が売れたという。

(出所:youtube)

伊勢丹は、9月中旬から新宿店で常設売り場を設置。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の運営する二子玉川の蔦谷家電でも販売が始まった。

このスピーカーを製造するのは、ソニーでも米ボーズでもなく、フランス・パリを拠点とする音響技術メーカーのデビアレ(DEVIALET)だ。創業から11年しか経っていないベンチャー企業だが、2012年と2016年に計18社から総額1億5500万ユーロ(約200億円)もの資金を調達した。

LVMHやルノーが資金をつぎ込むワケ

出資者には、ルイ・ヴィトンなどを展開する仏LVMHに加え、仏自動車大手のルノー、台湾EMS(電子機器の受託生産)大手の鴻海テクノロジーグループやシャープなどの世界的メーカーに加え、OS「アンドロイド」を開発したアンディ・ルービン氏の設立したハードウェア開発支援のベンチャーファンドの名も見える。

こうした大手企業がデビアレに資金をつぎ込むのは、同社が音響関係で保有する108の特許に理由がある。特にコアとなる技術が、創業者で現会長のピエール・カルメル氏が2004年に開発した、音を増幅させる技術だ。

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