「キリンは株主無視だ」英投資ファンドの言い分

トップが語る日本企業のガバナンス不全

都内で記者会見したインディペンデント・フランチャイズ・パートナーズのエルマスリーCEO(右)(撮影:梅谷秀司)
「我々はアクティビストではない。株主提案に至ったのは不本意だ」
2014年からキリンホールディングス(HD)の株主で、現在2%を保有するイギリスの投資会社インディペンデント・フランチャイズ・パートーナーズ(IFP)のハッサン・エルマスリーCEOはそう強調する。
IFPとキリンの主張は真っ向から対立している。3月27日に開催されるキリンの株主総会を前に、IFPは株主提案を行った。提案内容は大きく2つで、1つはビール事業への集中だ。医薬事業や2019年に資本提携を結んだ化粧品大手・ファンケルの保有株などを売却し、その資金により最大6000億円の自社株買いを求めている。
もう1つの柱がガバナンス強化。IFPが推薦する社外取締役2人を選任し、取締役のインセンティブ報酬の比重を増やすことを要求している。
キリンHDが株主提案を受けたのは、キリンビールとして創業した1907年以来初めてのこと。
IFPはなぜ株主提案に至ったのか。ハッサン・エルマスリーCEOに単独インタビューした(インタビューは3月12日に実施した)。

投資家は株価低迷に不満を持っている

――キリンHDの国内外の株主に対し、株主提案について説明して回ったそうですね。

国内外を問わず、対話してきたすべての機関投資家はキリンの株価に大きな不満を持っている。過去12カ月間の株価低迷(2019年3月1日に2482円だった株価は、2020年3月2日に2117円へ約15%下落)については、キリンが戦略を変更したことが直接の原因ということで(機関投資家の)認識が一致している。

そのため、私たちの提案は、ほかの株主から前向きに受け止めてもらえた。

――主張に賛同を得た、ということですか?

彼らはキリンの戦略、(2019年から2027年までのキリンの長期成長戦略である)KV2027に不満を抱いている。すべての投資家から、我々の株主提案への賛同を吟味するというコメントをもらっている。

――株主総会での賛同につながる手ごたえがある?

そう期待する。

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