コロナ対策、鉄道会社「電車の消毒」の実態は? 国鉄時代は別の理由で消毒に力を入れていた
そういえば筆者が少年だった頃、鉄道の旅でときどき消毒臭い車両に乗ったことが何度かある。車両の貫通路付近の壁に清掃消毒日表が貼られており、それをみて臭いが車内清掃によるモノだとわかった。あの頃、列車のトイレはまだ垂れ流しが多かったし、風圧で汚水が舞い上がり、客車の窓から入ってくることもあった。衛生面において、列車はかなり遅れていた。しかし、現在の車両のトイレはタンク式だ。抗菌素材の部材も多く使われている。
現在、えちごトキめき鉄道は消毒作業を実施している。当初は管理職が折り返し時間に直江津駅ホームで作業していた。その後、車両に消毒用品を搭載し乗務員が適宜消毒作業を行っているという。
「消毒作業を見せることも重要です。利用者のみなさんに、ちゃんと消毒しているんだな、と理解していただけますから」
「鉄道は安心」と周知させる環境作りを
個人的な見解とお断りせざるをえないけれども、「新型コロナウイルスがある前提の社会生活」を確立する必要がある。「いつもそこにある赤信号で道路を渡ったら危険ですよ」と同じくらいの心持ちで、「新型コロナウイルスはいつもそこにあり、近寄ったら危険だ」という覚悟のもとで暮らす覚悟が必要だ。
そのためには、鉄道会社は乗客を新型コロナウイルスに近づけない取り組みが必要だ。それで安心できるかどうかは乗客一人ひとりに委ねるとしても、「職員がマスクを着用して」以外にも安心できる材料を提供してほしい。
国が車両の消毒についてガイドラインを示すことも重要だ。鉄道会社の指針になるし、なによりも、利用者が安心して列車に乗れる。「鉄道は安心・安全だ」と周知させる環境作りが急務である。
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