「下方修正」続出、キーワードで探るコロナ影響 「会社四季報」春号で判明した650社超の内実

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一方、数はそれほど多くはないものの、『会社四季報』では新型コロナウイルスへの対策などで、需要増が見込めそうな会社の記載もある。

例えば、非接触で表面温度を計測できる赤外線サーモグラフィーの引き合いが増加しているほか、新型肺炎の感染拡大による在宅勤務の増加を受け、関連のシステムやソフトにも注目が集まっている。新型肺炎検査における診断薬用に必要な酵素の生産が繁忙となっている会社もある。

一部のドラッグストアや量販店では、マスクや消毒薬などの特需も出ているほか、製薬会社などでは新型肺炎の検出試薬の開発も進められている。自粛ムードが続けば、”巣ごもり消費”が増える可能性もある。ただし、いずれも感染拡大の状況などによって全社の業績への影響がどの程度あるかは不透明であり、今後の動向に注視が必要だ。

検索やスクリーニングで異変を読み取る

なお、『会社四季報』では特別企画として、サイトで登録することにより、定期購読者向けの特典である「デジタルコンテンツライブラリー」で、記事のキーワード検索やスクリーニング機能を利用できる特典がついている。「新型肺炎」といったキーワードが含まれる記事を検索したり、【最高益】【独自増額】といった見出しがついた記事を抽出することもできる。

世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス。発売されたばかりの『会社四季報』やその特典なども活用して、日本企業に広がる業績影響の見極めに役立てていただきたい。

島 大輔 『会社四季報プロ500』編集長

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しま だいすけ / Daisuke Shima

慶応義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程修了。総合電機メーカー、生活実用系出版社に勤務後、2006年に東洋経済新報社に入社。書籍編集部、『週刊東洋経済』編集部、会社四季報オンライン編集部を経て2017年10月から『会社四季報』編集部に所属。2021年4月より『会社四季報プロ500』編集長。

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