パンデミック宣言で「五輪開催」も無理筋な理由

特効薬がない新型ウイルスには我慢しかない

東京オリンピック(五輪)は、この状況が続けば、もはやできないはずだ。中止する、しない、の問題ではなく、通常開催が不可能になる。

2003年に猛威を振るったSARSは、前年の2002年11月に発生したとされ、WHOが終息宣言を出したのは7月5日のことだった。東京オリンピックの開会は7月24日が予定されている。

これに照らせば、ぎりぎりのところで新型コロナウイルスも終息するのではないか、と甘い期待を抱かせるが、SARSの感染が爆発的に広がった中心的なエリアは、中国、香港、台湾といった東アジアに限られる。世界的な広がりはなかった。日本にも上陸はしていない。

日本で終息すればいいという問題でもない

仮に、開会予定日までに日本国内の感染が終息したとしても、世界がついてこない。1万5000人を超す感染者を出しているイタリアから、いまは欧州に感染が広がっている。ドイツのメルケル首相は、これから国民の6〜7割が感染すると発言しているほどだ。2月29日に最初の死者が出たアメリカでは、3月9日の時点で、感染者、死者ともに数で日本を追い抜いてしまった。言ってしまえば、これから本格的な感染のピークを迎える。日本もどうなるか、先が見えない。

いまだに大規模なイベントの中止や延期が求められている日本国内では、春の選抜高校野球の中止が決まった。戦時中を除く初めてのことだ。3月20日に開幕予定だったプロ野球も延期、Jリーグも中断が続き、再開の目途は立っていない。アメリカでも、シーズン中だったNBAが中断。メジャーリーグも開幕を延期し、オープン戦も中止となっている。

こうした中で、4カ月後に迫ったオリンピックの各種目の派遣選考会などできるだろうか。4月1日からは水泳の日本代表選考会が行われる予定だが、13日に日本水泳連盟から無観客開催が発表された。

オリンピック本番までに各国も選手派遣の準備が整うか疑問だ。

そこに加えて、ニューヨーク株式市場ではダウ工業株平均が急落。

株価も続落している(3月13日、東洋経済オンライン編集部撮影)

東京市場をはじめ世界中の株価も続落するという、”経済の感染症”も起こり、世界中が混乱して、先行きが見通せなくなっている。

3月12日には、ギリシャのヘラ神殿跡で東京五輪の聖火採火式が行われた。26日から福島を起点に日本国内の聖火リレーが始まる。しかし、これも一部の沿道を無観客にする措置がとられるというが、そこに本来の意味はあるのか。無観客のオリンピックはもとより、そんな聖火リレーは、そもそも面白いだろうか。

同じ12日、トランプ大統領は、私見としながらも、東京オリンピックの延期もやむをえない、と述べた。現実的な見解に聞こえる。その直後の日本時間13日午前には約50分間の日米電話首脳会談が行われているが、そこでは五輪開催に関する言及はなかったと、一部メディアが報じている。

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