東海道新幹線「車内ニュース」終了は残念だ スマホ使えぬ満員の通勤電車では現在も重宝

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一方、通勤電車内でのニュース配信サービスが、最近増えていると感じる人も多いのではないだろうか。車内にあるデジタルサイネージに、新聞社・通信社による写真つきのニュース記事や、テレビ局による無音声動画ニュース配信などが流れている。

電車内のデジタルサイネージは、停車駅の案内や運行情報だけではなく、広告やニュースも流れている。例えば、JR東日本の子会社・ジェイアール東日本企画では、車内広告を募り、一方でニュースを流すサービスを展開している。

そのニュースを配信するサービスの大手として、共同通信デジタルという会社がある。この会社は、地方紙などにニュースを配信する共同通信社のグループ会社で、デジタルサイネージなどへのニュース配信のための会社だ。

満員電車の車内で活躍

同社が電車内に流すニュースは、デジタルサイネージで一定の時間表示され、それにあわせた分量の記事と、フルカラーの写真が添えられているというものだ。新幹線のニューステロップは文字だけということを考えると、こちらのほうが機能としては優れている。

通勤電車内では、スマートフォンすら出せないほど混雑していることもある。ぎゅうぎゅう詰めの中でニュースを見ることで気が紛れるという人もいるだろう。

このサービスを使用している鉄道事業者は多い。共同通信デジタルによると、JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州・東京メトロ・大阪メトロ・西武鉄道・京王電鉄・相模鉄道・京成電鉄・小田急電鉄・東武鉄道・東京都交通局・東急電鉄・新交通ゆりかもめ・京阪電気鉄道が利用している。

そこには、どんなニュースが表示されるのだろうか。共同通信デジタルによると、「電鉄を含む公共性の高い場所では、『一般ジャンル』『スポーツジャンル』の2ジャンルで、ご希望のジャンルをご利用いただくことが一般的です。その他、天気予報もご提供しています」とのことだ。確かに、電車内でのニュース配信をよく見ているとスポーツについてのものが多い。気になるスポーツの結果がニュースで流れる、というのはありがたいサービスだ。

列車内のニュースサービスは、こういう場所だからこそ喜ばれるのだ。その意味では、多くの利用者が座っている新幹線というのは、ちょっと違うのだろう。

次ページ意外な配信で存在感を見せる地方紙
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