東海道新幹線「車内ニュース」終了は残念だ

スマホ使えぬ満員の通勤電車では現在も重宝

N700Sの電光表示板。大きなサイズで見やすいが、ニュースは流れない(撮影:尾形文繁)

東海道新幹線から、車内のニューステロップが消える――。JR東海は2月21日、新幹線車内の無料Wi-Fiサービスの整備完了とともに、車内の電光掲示板によるニュース提供を、3月13日を最後に取り止めると発表した。

オウム真理教の地下鉄サリン事件や東日本大震災といった歴史に残る大ニュースから、芸能人の結婚・離婚、プロ野球の結果まで、さまざまなニュースを新幹線車内のテロップで知ったという人も少なくないだろう。現代は多くの人がスマートフォンでニュースを知る時代だ。それでも、車内ニューステロップの廃止を多くの人が惜しむ。

ニューステロップはなぜ消えるのか

車内ニューステロップは1985年に始まった。JR東海が新聞社などと契約して流している。朝日新聞や読売新聞といった全国紙だけではなく、JR東海の本社が名古屋にあるためか、中日新聞のニュースも流れている。

ニューステロップの記事は新聞社の専属記者が書く。見出し10文字以内、本文48文字以内。JR東海が、記事を配信する新聞社に利用料を支払った。

スマホどころか、iモード(フィーチャーフォンでのウェブ閲覧サービス)もない時代には、新聞にはない速報性を売り物に重宝された。

しかし、東海道・山陽・九州新幹線の全列車で無料Wi-Fiサービスを利用できる環境が3月末に整うことになり、乗客自身のスマホでニュースを見ることが可能となった。また、エクスプレス予約の会員数は390万人程度、スマートEXの会員数は340万人程度となっている。その利用者の多くが、スマートフォンを使っているはずだ。

そんなことが背景となり、多くの利用者がスマートフォンを使って列車内で情報を収集し、ニューステロップは見ないだろうとJR東海が判断しても仕方がない。

もちろん、新聞社への利用料の支払いを削減するという意図もあったかもしれない。しかし、かつてのように乗客の多くがニューステロップを凝視していたら、違った結果になったのではとも考える。

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