JR新幹線が「世界最速」を奪取、海外売り込みは成功するか

JR新幹線が「世界最速」を奪取、海外売り込みは成功するか

海外売り込みの弾みとなるか--。JR東海は11月16日深夜、東海道新幹線の最新車両「N700系」を使い、米原-京都間で走行試験を実施。営業車両としては国内最高(時速332キロメートル)での運転を成功させた。

これまで騒音や安全面の理由から、N700系の最高営業速度は時速300キロメートル(山陽区間)に抑えられてきた。だが、ライバルであるフランスの高速鉄道TGVは“世界最速”の時速320キロメートルを武器に、高速鉄道導入を計画する米国やブラジルなどへ積極的に売り込み中だ。今回の記録は、営業車両を使った速度としては、輸出を目指す高速鉄道の中で最速となる。

N700系はTGVを上回る運行性能を持つだけに、今回の試験走行が性能を世界にアピールする絶好の機会となった。米、英などの大使館関係者や海外招待客らを乗せた16両編成の車両は、発車後7分で時速330キロメートルに到達。同乗した米テキサス高速鉄道交通協会のロバート・エクルス会長は「実にスムーズな乗り心地。競争力は高い」と興奮ぎみに語っていた。

現在は売り込み先を米国に絞ってマーケティング活動中。「自社のフィービジネスというよりも、日本のメーカーのために海外の需要を作りたい」(葛西敬之会長)。新幹線の海外戦略は車両単体ではなく、線路、信号、保守、運行システムなどトータルでの売り込みが基本。輸出が決まれば、さまざまな産業への波及効果が期待できそうだ。

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(大坂直樹 =週刊東洋経済)

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