レオパレス、臨時株主総会で何が語られたのか レノの方針にアパートオーナー株主が激怒

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オーナーがレオパレスを支持するのは、両者が一心同体の関係にあるからだ。レオパレスの運営するアパートのほとんどはオーナーが建築し、レオパレスが一括で借り上げて入居者を付けているビジネスモデル。「アパートオーナーあってのレオパレス。それが当社の企業価値の源泉」(宮尾社長)。

そのため同社が破綻したり、事業譲渡されると、オーナーも困るのだ。実際、施工不良問題が発覚した当初から、会社側は「当社を支持するオーナーが9割以上」と説明していた。長期にわたって会社側と対立していたLPオーナー会も今回はレノに反対し、会社側の提案に賛同すると表明している。

次の焦点は5月発表の事業戦略

3月2日に開示された臨時株主総会の議決権の行使結果によれば、会社提案は賛成が56%。反対は4%にとどまったが、棄権が実に39%に達した。一方の株主提案は賛成が44.5%。反対は34.5%あったが、棄権も21%あった。棄権した株主の動向が結果を大きく左右した格好だ。

臨時株主総会を乗り切ったレオパレスの宮尾文也社長だが、同社を今後どのように舵取りしていくのか(撮影:梅谷秀司)

会社側は「当社の主張が、株主の皆様に認められた結果であると認識している」とするものの、「もろ手を上げて、賛成を得られては思っていない」とコメントした。

次の焦点はレオパレスが5月に発表する抜本的な事業戦略案になる。6月の定時株主総会では全取締役が改選期を迎えるため、事業戦略の中身によっては、再びレノらとの対立も想定される。

ただ、会社側が最重要課題だとする改修工事は遅れている。2020年12月末までに問題のあった1万3603棟すべての改修を終える計画だが、2月末時点で完了棟数は952棟(進捗率6.9%)にとどまる。このペースでは、2019年に続き、2度目となる補修工事の完了時期の見直しを迫られる可能性が高い。

今回の臨時株主総会で棄権した株主はどう動くのか。補修工事のスケジュールはどうなるのか。レノらと会社側の対立はまだまだ続きそうだ。

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と2人の娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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