横浜市営地下鉄「延伸」で得するのはどの街か?

駅前一等地をJR東海が所有、使い道は?

2019年1月に横浜市はブルーライン延伸の事業化を発表。合わせて、川崎市と共同で相互連携・協力の下で早期開業を目指すと発表した。延伸区間のうち、横浜市側のあざみ野駅―すすき野付近のルートは決まっていた。

ブルーライン路線図。点線が延伸予定区間(地理院地図を加工)

川崎市側は3案を設定し、3月に住民ヘの情報提供を実施。7月から8月にかけて両市沿線各地の説明会を実施。9月から有力案の東側ルートに対する意見募集を実施した。ここでは他の2案を希望する意見もあり、川崎市は意見を取りまとめたうえで、東側ルートの有効性を確認し、12月に「考え方」を示した。これが横浜市との協議で確定され、東側ルートに確定した。

ブルーライン延伸構想。赤の東側ルートに決定した(地理院地図を加工)

各駅予定地付近を観察してみた。

【あざみ野駅】

東急電鉄田園都市線あざみ野駅は1977年に開業した。

あざみ野駅西口はバスロータリーがある。新百合ヶ丘方面の小田急バスも乗り入れている(筆者撮影)
同地点より地下鉄延伸方向を望む。低層建築が続く。新百合ヶ丘駅前とは対照的だ(筆者撮影)

田園都市線は1966年に長津田まで開業し、当時はすでにつきみ野まで延伸していた。東急線沿線に住んでいた筆者は、駅に掲げられた開業告知ポスターの「たまプラーザ←1.1km→あざみ野←1.1km→江田」という表示を見て、ピッタリ真ん中に作るのだと感心した記憶がある。東急による不動産開発を最初の段階から見ることができる場所であった。

大きなビルはないけれども、駅周辺に広いコインパーキングがいくつかあって、開発の余地は多い。しかし駅周辺のみ近隣商用地域で、ほとんどが第一種低層住宅専用地域または第二種低層住宅専用地域だ。高い建物は建てられず、商店の業種が限られている。したがって商店は地元の人々を対象としたスーパーマーケットや小規模飲食店が多い。

田園都市線の駅の開業から約50年、建物の地下鉄延伸を機に建物のリニューアルが行われるだろう。すでに駅から離れた2車線道路沿いではマンション建設が始まっている。

あざみ野ガーデンズが新駅の有力候補か

【剣山付近】

あざみ野駅前から西へ向かうメインストリートを進むと高さ制限が緩和される。カリタス女子短期大学の跡地には分譲マンションが建設中だ。

あざみ野駅方向を望む。道路の右側があざみ野ガーデンズ(筆者撮影)
同地点よりすすき野方向を望む。高圧電線の方向にすすき野がある(筆者撮影)

その先にあざみ野団地がある。道路は真っ直ぐで起伏があり、丘を越えていく感じだ。団地地域の終わるところが剣山交差点で、その先に郊外型商業施設「あざみ野ガーデンズ」がある。このあたりが新駅で有望な場所である。

「あざみ野ガーデンズ」は1978年に開業した「嶮山スポーツガーデン」が発祥だ。多摩田園都市のスポーツの中心として、ゴルフ練習場やショートコース、テニスコートがあった。その広大な土地を整理し、新たにスーパーマーケット、ホームセンター、レストランなど16店舗を加えた。

空き地は少ないものの住宅は多く、建て替えも目立ち始めている。あざみ野駅からバス便だった地域は、地下鉄延伸で東急、小田急、横浜中心へ便利な地行きになる。

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