横浜市営地下鉄「延伸」で得するのはどの街か? 駅前一等地をJR東海が所有、使い道は?

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尻手黒川道路の地下を進んだ地下鉄は、南百合丘小南側交差点付近から新百合ヶ丘駅南口へ進む形になる。南口エリアはビルが建ち並ぶものの、昭和音楽大学南校舎の北側を通れば、ビル群の基礎を触らずに済みそうだ。

小田急ロマンスカーも停まる新百合ヶ丘駅。南口には百合ヶ丘駅にあったバスターミナルが移転し交通の要所となった。地下鉄の地上出入り口も設置しやすそうだ(筆者撮影)
小田急新百合ヶ丘駅は橋上駅舎で、地下鉄から乗り換えるにはここまで上がる必要がある。地下道を作り、小田急線プラットホームから下り階段で連絡できれば便利だが……(筆者撮影)

横浜市は大深度地下を使わず、住宅街の地中権を獲得する形で工事を進めるという。住民の協力が得られるかが早期開通のカギになる。

沿線の人々にとって、地下鉄の建設は好感を持たれているようだ。地下鉄駅予定地付近を歩いてみたところ、工事反対などの立て看板、ポスターなどは見かけなかった。

ただし、ヨネッティー王禅寺やバス停にいた人と話題にしたところ、地下鉄の延伸を知らない人もいた。住民からの要望や反対などの活動はこれから始まるかもしれない。

地下鉄延伸を知る住民からの期待値は高い。筆者が2019年8月にすすき野駅予定地付近で開催された住民説明会を傍聴したときは、開会も閉会も拍手だった。住民からの質問については、工事中のトラックなど交通量の増大に対し、安全策をしっかりやってほしいというものだった。

開業効果はたくさんある

横浜市営地下鉄ブルーライン延伸区間開業の目標年次は2030年。開業すれば、沿線の人々にとって、小田急線経由で新宿へ、田園都市線経由で渋谷へ、地下鉄経由で横浜へと、行き先の選択肢が増える。小田急沿線の人々にとっては、横浜方面および新横浜からの東海道新幹線接続も魅力だろう。

そしてなによりも、東急電鉄が開発した多摩田園都市を、東急電鉄以外の鉄道が南北に貫く。これが多摩田園都市にどんな影響を与えるか。そして少子高齢化に歯止めをかけられるか。興味は尽きない。

杉山 淳一 フリーライター

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すぎやま じゅんいち / Junichi Sugiyama

東京都生まれ。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社でパソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当したのち、1996年にフリーライターとなる。IT、PCゲーム、Eスポーツ、フリーウェア、ゲームアプリなどの分野を渡り歩き、現在は鉄道分野を主に執筆。鉄道趣味歴40年超。全国の鉄道路線完乗を目指してコツコツと旅を重ねている。鉄旅オブザイヤー選考委員。基本的に、列車に乗ってぼーっとしているオッサンでございます。

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