安倍政権は民主党政権と「同じ過ち」を犯すのか

新型コロナによる影響を甘く見すぎている

ただ、1月後半から日本などで起きている旅行、レジャー、外食を中心とした消費の広範囲な自粛や停滞が、アメリカやヨーロッパでも起こる可能性が高いと筆者は予想している。もちろん、筆者は、感染症の専門家ではないので確たる根拠があるわけではない。ただ、すでに3月2日時点でアメリカでも新型コロナウイルスによる死者が複数出ており、日本やアジアと同様に新型コロナウイルス感染拡大が起きてもおかしくない。

FRBは0.5%緊急利下げに加え、さらなる追加利下げも

ウイルス感染とその被害がどの程度広がるかは不確実性が高いが、感染拡大リスクが無視できなくなれば、政府は経済活動に介入するだろうし、そして家計、企業などの行動が世界的に相当程度抑制されると見込まれる。現時点では、コロナウイルスがもたらす総需要の落ち込みで、アメリカが景気後退に至る可能性は低いと考えている。ただ、金融市場参加者は、このリスクシナリオを当面意識しながら臨まざるを得ないだろう。

2月24日から世界の金融市場が大混乱となり、アメリカでもコロナウイルス感染が拡大したことをうけて、28日には当局が対応を見せた。同日にFRBのジェローム・パウエル議長が緊急声明を発表して、早々に利下げを再開する姿勢を示した。その後、FRBは3月3日の時点で50bpsの緊急利下げを行ったが、総需要の落ち込みとデフレ到来のリスクに備えて、3,4月のFOMCでも追加利下げが行われると筆者は予想している。

また、FRBの緊急利下げとほぼ同時並行で、3月3日にはG7財務相による緊急電話会合が行われ、新型コロナウイルスの感染拡大への対応策が議論された。G7の財務当局そして中央銀行が一丸となって、協調的な対応が繰り出されるとすれば、それは2008年のリーマンショック時以来の対応である。

こうした当局の迅速な対応は望ましいが、ウイルス感染拡大による経済的な悪影響を見通すことが難しいため、適切な対応を繰り出すのは難易度がまず高い。また、「国際協調の対応」という姿勢を見せるだけで実弾を打たなければ、効果は限られる。そして、今後想定される経済活動の落ち込みに十分な対応が行われるかどうか不明である。金融市場が当局の政策対応への期待と失望が交互に浮上して、当面、株式市場が乱高下する展開が続くと予想する。

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