「サラダは小皿をもらって、最初にシェアしました。それから楽しく話をしながら食事をしていたんですね。そうしたら彼女が、ミートドリアを3分の2くらい食べた後、『もうお腹いっぱいだから、残りを食べませんか?』って、僕に言うんです。手をつける前に、『こんなに食べられないし、少し食べませんか?』と分けてくれるのならわかるのですが、食べ残し、ですよ(笑)。まだ恋人同士でもない、手もつないだことがない関係なのに、びっくりしました」
これと同じことを、以前入会面談に来た男性(47歳)からも聞いたことがある。
「僕は、食べ残しをくれた女性に過去5人当たっています。そのときいつも、『これは、僕が潔癖症かどうかを試しているのかもしれない』と思うんですよ。だから、受け取って無理してでも全部食べるようにしていました」
武雄も同じように、彼女が勧めてくるドリアの皿を自分のところに引き寄せて、残りを全部食べたという。
「断ったら、気まずい空気が流れるじゃないですか。食べたほうが丸く収まるかなって(笑)」
コロナウイルスがちまたを騒がせている今では、こんなことをする女性はさすがにいないかもしれない。しかし、コロナが流行っていなかったとしても、自分が食べたものを、初めてデートした男性に、「食べませんか?」と勧めたときにどう思われるのか。そこは相手の立場に立って、想像力を働かせてほしい。
パートナーよりも自分の家族が大事?
さらに、半年前に真剣交際に入っていた女性、美智子(仮名、35歳)とは、最初はいい手応えだったのだが、結婚には至らない出来事が起きた。お付き合いに入ったばかりの頃、武雄はこんなふうに美智子を評していた。
「メールのレスも早い。デートに遅刻してくることもない。話をしていても楽しいし、今回はうまくいきそうです」
そして3回目のデートのとき、彼女から「真剣交際に入りませんか?」との申し出があったので、それを受けた。名前の呼び方も、「タケくん」「みっちゃん」と呼び合うようになり、楽しいデートを続けていた。
「ただ慣れてきたからなのか、彼女が自分のペースで会う時間や行き先を決めるようになったんですよ。そこが気になり出したんですが、本質的にはいい人だしやっと結婚できるかもしれないのだから、小さなことにはこだわらずに、このお付き合いは大切にしていこうと思っていました」
ちょうどそんなとき、武雄の所属部署が繁忙期に突入した。なんとか会う時間をやりくりしてデートを重ねていたのだが、時を同じくして、彼女の妹が出産をし、1カ月実家に帰省することになった。
「仲のいい姉妹なのもわかるし、おいっ子がかわいいのもわかるんです。でも、僕がやっと作り出したデートの時間を、2度、3度とリスケしてきた。その理由が、“家族で出かける”とか、“今日は、私がおいっ子を見ていないといけない”とか。何かとても雑に扱われている気がしたんです。この調子だと、結婚したら、僕よりも実家の家族を優先させて、大事にするんじゃないかって」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら