前場の日経平均大幅続落、今後はどうなるのか アメリカにあった楽観ムードが完全に消える
[東京 27日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比401円14銭安の2万2025円05銭で大幅続落。一時、昨年10月11日以来となる2万2000円台割れとなった。新型コロナウイルスへの懸念が一段と広がり全面安商状。市場では、これまで楽観的なムードがあった米国市場が、ここから新型ウイルスの影響を本格的に織り込み始めることを懸念する関係者が多い。米CDCが国内での新型コロナウイルス地域感染の可能性を指摘したと伝わったことも嫌気された。
26日の米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が5日続落。ニューヨーク州ナッソー郡当局が中国に渡航し新型ウイルスに感染した恐れのある83人について経過観察を行っていると明らかにしたことや、米食品医薬品局(FDA)当局者がパンデミック(世界的な大流行)に向かっているとの見方を示したとの報道などから、不安感が広がった。
また、米マイクロソフト<MSFT.O>が基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を含む部門の第3・四半期(1─3月)の売上高が、新型コロナウイルスの影響で当初予想に届かない可能性があると明らかにしたことを嫌気し、時間外取引で1%超下落。つれて米株先物が売られたことも、日本株にマイナス作用している。
市場では「米国で新型ウイルスの感染者が新たに出たと伝えられたことも下げに拍車をかけた格好。これまで米国にあった楽観ムードが完全になくなったことで、米国が新型ウイルスの影響を本格的に織り込み始めることになりそうだ」(キャピタル・パートナーズ証券・チーフマーケットアナリストの倉持宏朗氏)との声も出ていた。 TOPIXは1.91%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆2993億2400万円だった。東証33業種では全業種が値下がりとなっている。個別では、ソニー<6758.T>が7000円台を割るなど主力輸出関連株が総じて軟調となったが、味の素 <2802.T>など食品株の一角が高い。
東証1部の騰落数は、値上がりが171銘柄に対し、値下がりが1749銘柄、変わらずが37銘柄だった。
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