ユニゾ、水面下で進む「踏み絵」と「資産売却」 三つどもえの買収合戦、国内初「EBO」の舞台裏

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しかもだ。チトセアは従業員が設立したことになっているが、シナリオを描いたのは小崎社長をはじめ、同じ日本興業銀行出身者と、あおぞら銀行や西武ホールディングスの買収を手がけた米ファンド・サーベラス出身者の計4人だ。

事実、小崎社長が周囲に「俺が日本で初めてやったんだ。すごいだろう」と自慢している様子が目撃されている。また、チトセアの代表に収まった山口雄平氏が「わけがわからないまま代表にさせられ、正直、内容はまったくわからない。早く終わってほしい」と吐露していたという証言もある。

「日本で初めてのEBO」などと賞賛される舞台裏で、こうしたことが起きていたのだ。

三つどもえの買収合戦のゆくえ

ブラックストーンとフォートレス、チトセアが三つどもえで価格をつり上げていく異例の買収合戦。ユニゾ側は表向き、「外資系ファンドの案は資産を切り売りし、従業員の雇用も守られない。その点、チトセアはどちらも守られる」としてチトセア案を支持している。

しかし、従業員に踏み絵を踏ませ、自分たちの案に賛成しない者を切ろうとしていたのはユニゾ自身であり、水面下では首をかしげたくなるような資産売却も進めている。

2019年3月末時点で79棟あった保有ビルのうち、2019年12月までにすでに11棟を売却している。事情に詳しい関係者によれば、今後も35棟程度の売却を計画しているという。

【2020年3月12日16時7分追記】保有ビルの時期に関する初出時の記載が誤っておりました。お詫びして修正いたします。

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