「配偶者居住権」が招きうる遺産相続のトラブル 4月の民法改正で登場、よくわかる中身とは
2020年4月1日より、改正民法が施行される。そのうち相続に関する民法の改正は1980年以来、約40年ぶりの民法の大改正となった。
今回の改正では、これまでの条文になかった新たな権利も設定された。そのうちの1つが「配偶者居住権」だ。
人口の28.4%が65歳以上という、過去最高レベルでの高齢化が進む日本社会。今後増えることが予想される財産相続する場面において、大きな影響を与えることとなるだろう。
これまでの民法では、もし所有者が死亡し、残された配偶者が自宅に住み続けるという場合、配偶者が自宅の所有権を相続して所有権に基づいて居住を継続するか、子どもが所有権を相続して所有者である子どもから配偶者が借りて(使用貸借)居住を継続するという流れになる。
配偶者居住権とは何か?
民法では遺産分割にあたっての法定相続分という割合を定めており、相続人が配偶者と子どもたちの場合には、配偶者は2分の1という割合になっている。
しかし、地価高騰の影響などの影響により自宅の評価額が高い場合には、自宅の所有権を配偶者が相続した結果、それだけで法定相続分の割合を超過してしまい生活資金等の金融資産を受け取れないケースや、他の相続人に対して高額な代償金を支払う場合まで有りえる。
このような配偶者の生活拠点や生活資金を確保するための制度として作られたのが、「配偶者居住権」だ。
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