そもそも、日本の個人消費は消費税率引き上げの影響によって低迷したままである。
7日に発表された2019年12月家計調査によると、二人以上の世帯における実質消費支出(変動調整値)は前年同月比マイナス4.8%となった。3カ月連続のマイナスとなり、消費増税後の低迷は続いていることが確認できる。また、前月比はマイナス1.7%となり、11月のリバウンド(同プラス2.6%)が一時的な動きだったことが明らかとなった。
消費税率引き上げ前後の動きを確認すると、実質消費支出(季節調整済指数、2015年=100)は2019年6~8月に平均100.5で推移していた。駆け込み需要によって9月に107.4まで上昇した後、増税後の10月は95.1まで急落した。11月は97.6に上昇したものの、12月は95.9に下落してしまった。増税前(6~8月の平均)から約マイナス4.6%の水準で低迷していることになる。
総務省統計局は、11月の指数が上昇した際に「教養娯楽用耐久財や食料などで持ち直しの動きがみられる」と楽観的な見通しを示したものの、12月分の再下落によって再び不安が強まる結果となった。
このような動きになった理由は、10月12日に上陸した台風19号の影響が挙げられる。台風の影響(10月12日の消費の減少)により、10月分の消費は(増税の影響に加えて)約マイナス2.0%ポイント押し下げられていたとみられる。一方で、11月は台風の影響の反動増があった可能性が高い。そして、その反動増がなくなったために12月は再び消費が落ち込んだ可能性が高い。
要するに、台風19号の影響を除けば、消費の水準は低迷したままということだろう。仮に台風19号が、実質消費支出の指数に対して10月分でマイナス2.0%ポイント、11月分でプラス2.0%ポイントの影響を与えていたとすると、実質消費支出の推移は上のグラフに示したようになる。増税以降、消費が増加する兆しはまったくないといえ、今後も低迷が続く可能性が高い。
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