アップル「売上高未達」に見る中国の立ち位置

コロナウイルスの影響は思った以上に甚大だ

コロナウイルスによるiPhoneへの影響とは? 写真は2019年12月のアップル川崎(筆者撮影)

アップルはアメリカ時間2月17日にプレスリリースを出し、「2020年第2四半期(1〜3月)の売上高ガイダンス(予想)を達成できない」と発表した。新型コロナウイルスの影響で、アップルにとって2つの意味を持つ中国経済が停滞していることが原因だ。

1月28日の決算発表で、アップルはすでにコロナウイルスの影響を織り込んでおり、売上高のガイダンスは630億〜670億ドルと幅を持たせていた。しかし今回、630億ドルへの到達も難しいとして利益警告を出した。

中国を中心に感染が拡大しているコロナウイルスは、世界保健機関WHOによって「COVID-19」という名称がつけられた。「中国」「湖北省」「武漢」といった感染源のキーワードは避けられた一方で、感染拡大が表面化した2020年ではなく、武漢の医師から告発があって存在が認知された「2019年」が名称に採用された。

2月18日現在、中国では7万2436人が感染、死者数は1868人となった。死者数が1日100人を下回るようになり、日々の数字に勢いが増しているとは言いがたいが、収束に向かい始めたと結論づけるのは尚早だ。

アップルは2019年1月にもiPhoneと中国市場の不振により、ガイダンス未達を伝えており、1兆ドルを達成した株価は142ドルまで下落した。しかし2019年が終わってみると、株価は倍以上に成長する驚異的なパフォーマンスを見せ、2月14日の終値で324ドル95セントだった(2月17日のニューヨーク市場はプレジデントデーで休場)。

V字回復を演出してきただけに、外的要因とはいえ、その期待が挫かれることになる。加えて、新型コロナウイルスのアメリカ企業への影響が小さいとの見方もまた、剥がれ落ちることになる。

中国のポジションがわかる、業績未達2つの理由

アップルは、感染拡大が続く新型コロナウイルスによる業績への影響を2点挙げた。これは、アップルにとって中国がどのような役割を果たしているのかをわかりやすく説明するものだ。

1つ目の理由は、iPhoneの製造が滞ることだ。これによって、iPhoneの全世界向けの供給が一時的に滞ることを余儀なくされるという。iPhoneの製造拠点は湖北省の外にあり、すべての工場が春節明けの2月10日に稼働し始めた。しかし期待よりも製造の回復が遅い状況だ。

アップルはiPhoneの製造をインドやブラジルなどへも分散しつつあるが、依然として主力の委託先工場は中国にある。またサプライチェーンも日本を含むアジア圏に集中しており、新型肺炎感染の2大拠点である中国と日本に重なる。人、物の動きが抑制される感染症対策において、アップルがアジアを中心に築いたサプライチェーンが打撃を受けている。

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