新型肺炎で2020年度日本経済はマイナス成長も

消費増税も重なった個人消費のほうが深刻

今回の新型肺炎のケースにおいて、SARSの時と同程度のペースで各国からの訪日外国人が減少(その後回復)するとした場合、①インバウンド消費の減少によって日本のGDPが押し下げられる効果と、②日本人の個人消費が抑制されることでGDPが押し下げられる効果を試算した。

試算のうち、①インバウンド消費の減少については想定される訪日外国人の減少分に対して1人当たりの平均支出額を掛けることで算出し、②日本の個人消費については、感染が終息するまでの間に家計調査における宿泊費とパック旅行の合計額(2019年の平均は各月6067円)が東日本大震災と同程度(前年同月比マイナス28.1%)まで抑制されると仮定して算出した。

外国人より日本人の消費への影響が大

この結果によると、インバウンド消費の減少によってGDPが押し下げられる影響よりも、日本の個人消費がGDPを押し下げる影響のほうが相対的に大きいことが分かる。インバウンド消費の動向に注目が集まりがちだが、今後は国内の感染拡大を通じた日本の個人消費の動向にも注意が必要である。

なお、筆者は新型肺炎の感染拡大を織り込まないベースで2020年度の成長率をプラス0.5%と予想していた。したがって、今回の試算結果によると12月まで感染拡大が続く場合はマイナス成長になることになる。また、これらの試算では終息の時期が7月をまたぐことによって東京オリンピックと重なる影響は考慮していない。この影響を考慮すれば、訪日外国人数のマイナス幅は一段と大きくなる可能性もある。

また、今回の試算に付随して他の消費項目や企業の設備投資が抑制される可能性が高い。これらも考慮に入れれば、年央程度まで感染拡大が続いた場合でも、マイナス成長になることも十分に考えられる。

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