このサバ州立鉄道、もともとはイギリスがこの地を統治するために設立した北ボルネオ会社が建設し、1896年に開業したのが始まりである。木材や農作物の輸送がこの鉄道の主な建設目的であった。
マレー半島側の鉄道とまったくつながりはないものの、いずれもイギリス時代に造られ、軌間1000mmのいわゆるメーターゲージという点は共通している。
鉄道の存在意義は…
現存する路線はコタキナバルの街はずれにあるタンジュンアルを起点にボーフォートまで約85kmの本線と、ボーフォートからテノムまでの約50kmの通称「山線」で構成されている。
近年、タンジュンアルからコタキナバル市内方面のセンブランまで4kmほど路線が延長されたが、コタキナバル―ボーフォート間は並行して高規格道路が整備されていることから、鉄道の存在意義はほぼないと言っても過言ではない。そもそも、公共交通機関自体がミニバスと呼ばれる乗り合いバン程度で、マイカーが生活に浸透している。建設当初の目的であった貨物輸送も今はほとんど行われていない。
タンジュンアル―ボーフォート間も1日2往復しか運行しておらず、センブランまで乗り入れるのはそのうち1往復のみだ。片道の所要時間は約2時間強で、車に対して競争力はほとんどない。それでも運賃が非常に安いため、沿線住民の朝夕の通勤手段として使われており、座席が埋まる程度には利用されているという印象である。
