全米震撼「恐怖のドッペルゲンガー殺人」の全容 世紀の悪女が仕掛けた小説のような殺人計画
ナディアは失踪した母を見つけるため、手作りのチラシを配って情報を集め、広大なロシアを自ら運転する車で奔走した。だが3カ月が経っても成果はゼロ。そこで探偵を雇い、道路上の防犯カメラを片っ端から調べると、ついに、1台の車の助手席に寝かされた母親の画像を発見。そのレンタカーの借り主は、あのビクトリアだった。
ナディアの母親の殺害容疑でビクトリアの取り調べが始まる。ようやくすべての悪事が暴かれるかと思われたが、ビクトリアは、その美貌を武器に、捜査官を誘惑し、偽造パスポートでロシア国外へ逃亡してしまった。
そして、ナディアの母は焼死体で発見されてしまう……。そこは、自宅から遠く離れた、悪女・ビクトリアの故郷だった。インターポール(国際刑事警察機構)は、殺人容疑でビクトリアを国際指名手配したが、もはや彼女の行方は誰にもわからなかった。
フェイスブックで発覚した、悪女・ビクトリアの潜伏先
「ビクトリアは悪魔そのものです。私の家族、人生、母、すべてを奪った……」
ナディアは殺された母の復讐を誓い、ニューヨークに戻った後も執念の捜索を続けていた。
ビクトリアはどこへ逃げたのか? 国際指名手配犯の潜伏先を見つけたのは、ナディアだった。それは生前、母から聞かされていたビクトリア・ナシロワのフェイスブック。驚くことに逃亡中もニックネームで写真を投稿し続けていたのだ。まるでセレブのように、きらびやかな生活を写した自撮り写真ばかりを……。そんな憎きビクトリアの潜伏先。なんとそこは、娘・ナディアの住むニューヨークだった。
そこでナディアは、ある敏腕探偵にビクトリア捜索を依頼する。ニューヨーク市警に20年勤務したハーマン・ワイズバーグだ。
「これは私のキャリアで、最もやりがいのある事件になると思いました。国際指名手配中の逃亡犯を追いかけるなんて初めてでしたから」
ハーマンはすぐに、ビクトリアがネット上に残した“手がかり”に気づいた。
それはフェイスブックに投稿された1枚の写真。
よく見ると、サングラスのレンズに車のダッシュボードが映っていることがわかる。「ナビの画面」の上に、「アナログ時計」という特徴的なデザインだった。
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