全米震撼「恐怖のドッペルゲンガー殺人」の全容 世紀の悪女が仕掛けた小説のような殺人計画
「あの女が本当にビクトリア・ナシロワなのか……」
2017年3月、探偵・ハーマンは、ビクトリアが住むアパートの近くで張り込みを続けていた。
するとアパートから出てきた1組のカップル。女は、フェイスブックの写真で見たビクトリアとは思えぬほど太っている。
「別人ではないか……」
そんな疑念を振り払ったのは、ハーマンの経験からつかんだ「決定的証拠」だった。
「私は、警察官のときのクセで、いつも相手の靴を見るんです。これはブーツのような特徴的な靴ですが、逃走犯でも、靴は替えないものです」
女のブーツが、ビクトリアがフェイスブックに投稿した写真で履いているブーツと一致したのだ。
ハーマンのつかんだ情報によって、ついに警察がビクトリア逮捕に動くことになった。しかし、まだ安心はできない。逮捕容疑はあくまで「昏睡強盗」。この罪だけでは、すぐに釈放される恐れがある。ロシアでの殺人容疑は、現地の警察が指紋を取っていなかったため、女が本当にビクトリア・ナシロワだと証明することができなかったのだ。そこで、探偵・ハーマンは思い切った奇策に打って出る。
“世紀の悪女”が逮捕されるまでの全容
「ビクトリアの釈放を阻止するために新聞記者とカメラマンを呼んだのです」
ハーマンは、大手新聞社に声をかけ“国際指名手配犯の逮捕”という特ダネを売り込んだ。その狙いどおり「ビクトリア逮捕」は紙面を飾り、メディアは世紀の悪女の犯罪を大々的に報じ始める。世間の好奇心を刺激し、注目を集めたことで、警察はビクトリアを簡単に釈放できなくなったのだ。そして、ロシアでもビクトリアの逮捕が報じられることとなった。
執念の追跡を続けた娘・ナディアの悲願がようやく報われたのは、ナディアの母が姿を消してから、2年5カ月が過ぎた、春の日だった。
番組では、裁判資料や関係者への独自取材から、ビクトリアが犯した冷酷無比な犯罪の数々を完全再現。“世紀の悪女”が逮捕されるまでの全容に迫る。
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