「N-BOX」3連覇に透けて見えるホンダの課題 新型フィットでN-BOX依存から脱却できるか

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ホンダは、創業時より市場を開拓し、存在感を示してきた自動車メーカーだ。自転車にエンジンを取り付けた初期の2輪車はもちろんのこと、大型バイクが主流であったかつてのアメリカに「スーパーカブ」を持ち込むことによって、女性や若者が2輪に乗るという新たな流行を生んだ。

1958年の「スーパーカブ C100」(写真:ホンダ)

バイクに乗ることが威容を誇るのではなく、賢い生活を喚起したのである。

4輪事業においても、まず高性能エンジンを搭載した軽トラック「T360」を生み出し、そこから前輪駆動の合理的な軽乗用として「N360」を生み出した。

1970年代には「達成不可能」とされたアメリカの厳しい排ガス規制(通称マスキー法)において、多くの自動車メーカーが後処理による排ガス浄化を目指したのに対し、エンジンの燃焼という根本から解決するCVCC(複合渦流調整燃焼方式)に的を絞って開発を行い、世界で最初に基準値を達成。その技術は、国内外の多くの自動車メーカーから引き合いになった。

アメリカ偏重により国内での存在が希薄に

技術開発の根幹として、レースにも積極的に参戦し、2輪ではマン島TTレースやロードレース世界選手権、4輪ではF1グランプリに国内メーカーとして先駆けて挑戦し、勝利を手にしている。それらはホンダという戦後発の極東の自動車メーカーへの注目を集めさせ、信頼を築いた。

ユニークなコンセプトでヒットした「S-MX」(写真:ホンダ)

1980年代後半から1990年代にかけては一時業績を著しく悪化させたが、1990年代半ばからのクリエイティブムーバーと呼ばれる商品群は、今日につながるホンダの礎を築いた。オデッセイ、ステップワゴン、CR-V、そして「S-MX」だ。ミニバン、5ナンバーミニバン、SUV、そしてハイトワゴンという形態は、新たな市場を築き、いまなお国内で売れ筋の車種である。そこへ、他の自動車メーカーは追従した。

しかし、ホンダの主力とみなされる一連の登録車は、昨今では独自性や独創性を希薄にし、競合他車との比較競争の中で埋没しはじめている。

シビックとアコードはアメリカ市場を主力とし、競合他車との比較の中で大型化。国内においては、購入する意味を失わせた。かつて、大型バイクしか価値が見出されていなかったアメリカに、スーパーカブを持ち込んで新たな市場を開拓したことが幻のようである。

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