「N-BOX」3連覇に透けて見えるホンダの課題 新型フィットでN-BOX依存から脱却できるか

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多種多様な登録車と違い、軽自動車の販売利益は各社それほど差がないと想定すれば、上位3社はいい競争をしていると言えなくもない。

ただし、たった1車種で戦えているホンダは、いろいろな車種を開発して合計台数で競うスズキやダイハツに比べ、車種の少ない分、開発や生産準備のための投資は抑えられているとみることもできる。

2019年に発売された2代目「N-WGN」(写真:ホンダ)

とはいえ、ホンダもN-BOXのみに依存していてよいとは考えておらず、昨年、同じプラットフォームを活用したN-WGNをフルモデルチェンジして商品力を大幅に高め、ベスト15で12位の3万2382台を売った。

自動車メーカーとしての企業規模の側面で見ると、ホンダの世界販売は年間約530万台、スズキは約340万台、ダイハツは約100万台である。

なかでもスズキやダイハツは、軽自動車を主軸としながら、登録車でも小型車を中心に販売する形態であるのに対し、本来ホンダは世界的にも登録車主体のメーカーであるのだから、国内においても登録車の販売をより伸ばすことが望まれるだろう。

時代を築いたヒットモデルの衰退

国内の登録車販売において、「フリード」や「フィット」、「ヴェゼル」など、5ナンバー枠やそれに近い車種は、それぞれハイトワゴン、小型2ボックス、小型SUVという具合に国内で人気の高い分野であり、販売は好調だ。

2020年2月に発売となった10代目「アコード」(写真:ホンダ)

一方、3ナンバー化した「シビック」や「アコード」、また人気の5ナンバーミニバン市場で戦う「ステップワゴン」、ミニバン時代を築いた「オデッセイ」、SUVの「CR-V」、上級セダンの「レジェンド」などといった、ホンダ車の中でなじみが深かったり、かつて名車として高い人気を呼んだりした各車種の存在感が薄れている課題も見えてくる。

名前を聞けば多くの人が知っているクルマが、購入の選択肢に入ってこない状況に陥っているようだ。

それらは高付加価値をもたらす車種でもあり、販売成績いかんでホンダの業績を大きく上下することだろう。では、それら名だたる車種が、軽のN-BOXに比べ、なぜいずれも存在を希薄にしてしまったのだろうか。

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