りそな、平成入行組の3トップが背負う重責 持ち株会社と傘下2銀行の社長が一斉に交代
平成3人組は大変革期を乗り切れるか――。
りそなホールディングスは1月31日に会見を開き、4月1日付で社長を交代する人事を発表した。2013年から7年間にわたり持ち株会社の社長とりそな銀行社長を兼務した東和浩氏(62)に代わり、南昌宏取締役(54)がりそなホールディングス社長に、岩永省一取締役(54)がりそな銀行社長に昇格する。併せて、埼玉りそな銀行の社長も池田一義氏(63)から福岡聡取締役(54)へバトンタッチする。
南氏、福岡氏は埼玉銀行、岩永氏は大和銀行と出身行こそ異なるが、3人はそろって1989年(平成元年)入行。大手銀行では初の平成入行トップが誕生する。
持ち株会社と銀行のトップ兼任を解消
東社長の在任中、最大の節目といえるのは2015年6月に迎えた公的資金の完済だ。2003年に注入された公的資金は、ピーク時の残高で3兆1280億円。まさにりそなホールディングスにとっての負の遺産からの脱却だった。
その後、2017年に関西みらいフィナンシャルグループを発足。2019年には、傘下の近畿大阪銀行と関西アーバン銀行を統合し、関西エリアで最大の関西みらい銀行を発足させた。関東・関西それぞれに強い銀行を持つことを広域連携にも生かす。現在、各地銀が力を入れる取引先企業に対する顧客やM&A先の紹介といった業務は、とくにその強みを生かせる分野だ。
公的資金完済という最大の課題をクリアし、グループの経営体制の整備も進む中、りそなは次のフェーズに入ろうとしている。東社長は「(2020年)4月から新しい中期経営計画に入るに当たり、いい機会だと考えて交代を決断した」という。
交代に当たって、持ち株会社とりそな銀行のトップ兼任を解消することもポイントだ。りそなホールディングス社長は「グループのガバナンスと新規ビジネスモデルへの挑戦」、りそな銀行社長は「既存ビジネスの深堀り」と役割分担を明確化した。
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