りそな、平成入行組の3トップが背負う重責 持ち株会社と傘下2銀行の社長が一斉に交代
今回の人事は周到に準備されてきたといえる。東社長がトップ交代を考えたのは3年前。指名委員(社外取締役3人)とも議論しながら、次期トップ候補には「部分最適ではなく、グループ全体を見渡せることが重要。異動もそういうふうに考えてきた」(東氏)という。
りそなホールディングス社長に就く南氏は、経営管理部やグループ戦略部など企画の経験が豊富だった。そこで2017年からは、対面・非対面の顧客接点を担うオムニチャネル戦略部の担当に据え、より現場に近い分野を経験している。一方、りそな銀行社長に就く岩永氏は営業畑で、「関東10年、関西10年」(東社長)というように広範な地域での経験を持つ。そこで、2018年からは銀行の経営管理部やホールディングスのグループ戦略部を担当してきた。
埼玉りそなの社長に就く福岡氏は、埼玉りそな銀行の経営管理部、営業サポート統括部長、ホールディングス財務部担当とさまざまな分野を経験。まさに「グループ全体を見る人材」として選出された3名と言える。
石器時代から金属器時代へ転換
ただ、新トップ3人に待ち受ける事業環境は非常に厳しい。低金利環境が続く中、預金を集めて貸し出すモデルは限界を迎えている。これはりそなグループに限らず、全国の銀行が直面する課題だ。その変化を東社長は「石器時代から金属器時代へ転換しているような大きな変化」と表現する。
実際、りそなホールディングスの業績は年々厳しさを増している。2019年3月期の経常利益は2030億円(前年比6.7%減)と5期連続で経常利益が減少。現行の中期経営計画で「リテールNo.1」を目指してきたりそなにとって、今後の課題は大きく2つある。コスト改革と新たなビジネスモデルの確立だろう。
コスト改革の最大のポイントはグループで約840を抱えている店舗の戦略だ。目下、多くの銀行から店舗統廃合や機能を特化する新たな取り組みの発表が相次いでいる。
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