三菱UFJ、異例づくしの新社長を待ち受ける難題 メガ初の理系トップでデジタル化を加速
「(銀行が持っている)信頼やブランドはうかうかしているとなくなってしまう。これらが保たれているうちにイノベーションを作っていかないといけない」
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の次期社長となる亀澤宏規副社長(58歳)は会見で危機感をのぞかせた。
有力視されていた亀澤氏のトップ就任
MUFGは4月1日付けで、三毛兼承・現社長(63歳)に代えてMUFGのデジタル化を担当する亀澤宏規副社長を社長に昇格させることを決めた。亀澤氏は東京大学理学系修士課程を修了しており、メガバンク初の理系トップ誕生となる。三毛氏は兼任する三菱UFJ銀行頭取の業務に専念する。
今回の決定前から、三毛氏の後任の有力候補は亀澤氏が有力視されていた。ただし、事前観測では、亀澤氏が就くのは持ち株会社であるMUFGでなく、傘下の三菱UFJ銀行の頭取という見方が多かった。
それもそのはず。2005年10月に発足したMUFG社長は全員、三菱UFJ銀行(2018年3月までは三菱東京UFJ銀行)の頭取を経験していたからだ。亀澤氏の3代前に当たる永易克典氏は東京大学卒業後、三菱銀行に入行。2008年に三菱東京UFJ銀行の頭取に就任し、2010年からMUFGの社長を兼務した。
後任の平野信行氏は京都大学出身だ。三菱銀行に入行し、2012年に頭取に就任。2013年からMUFGの社長を兼務している。平野氏の後を継いで2016年に頭取に就任した小山田隆氏は、体調不良を理由に1年余りで頭取を退任。後任として2017年に急きょ頭取に就いたのが三毛氏だった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら