まちづくり三法ってどんな法律?



それでも、問題点が3つ残る

 しかしながら、今回の法改正には問題点が残っています。

 ブレーキである都市計画法は、既存の法律の微修正にとどまり、市町村長が主体的にまちづくりを進めることのできるような改正とはなっていません。少しブレーキの利きがよくなった程度です。また、アクセルである中心市街地活性化法は、それほど馬力がないのが難点です。ブレーキは、利きが少しはよくなったと思います。

 私が見たところ、以下のような問題点があります。

1.すでに手当てが遅い

 2000年から04年の5年間ですでに53件の超大型SC(3万平方メートル超:映画館がある巨大ショッピングセンター)が建設されています。ちなみに、そのうち農地が転用されたのは、23件となります。

2.中心市街地再生の支援規模が小さい

 来年度予算は70億円。全国に13000程度あるアーケード街のうち、どこまで支援できるか見えません。また、中心市街地の支援予算のうち、経済産業省は全体の1割以下の予算しか持っていません。その上、各省庁のまちづくり予算は100制度近くもあり、運用もばらばらとなっています。

3.本質的な解決策は、地方経済の再生であり、補助金以外の金融関連の制度を作るべき

 欧米の制度を調べますと、基本的に土地利用規制により中心市街地の活性化を図っています。わが国も、100種類もある官庁のまちづくり予算を一括して地方自治体に交付金で支出し、市町村が独自の判断でまちをつくれるようにすべきです。


藤末健三(ふじすえ・けんぞう)
早稲田大学環境総合研究センター客員教授。清華大学(北京)客員教授。参議院議員。1964年生まれ。86年東京工業大学を卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省、環境基本法案の検討や産業競争力会議の事務局を担当する。94年にはマサチューセッツ工科大、ハーバード大から修士号取得。99年に霞ヶ関を飛び出し、東京大学講師に。東京大学助教授を経て現職。学術博士。プロボクサーライセンスをもつ2女1男の父。
 

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