まちづくり三法ってどんな法律?
皆さんの街でも、郊外の幹線道路に大きなショッピングセンターが次々と建てられていると思います。その結果、消費者がどんどん郊外へと流出して、駅前の商店街などが「シャッター街」になってしまった姿を目の当たりにされた方もいるはずです。私は、土日はほとんど地方の都市で講演していますが、シャッターが下りたアーケード街を数多く見ます。
具体的に言うと、まちづくり三法とは、(1)ゾーニング(土地の利用規制)を図るための「都市計画法」、(2)大規模ショッピングセンターが出店する際の、地域との調整の仕組みを定めた「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」、(3)中心市街地の再活性化を支援する「中心市街地活性化法」を指します。
2006年の通常国会では、この3つの法律のうち、都市計画法と中心市街地活性化法の2つの法律が改正されました。政府は8年前の1998年に「経済的規制は原則自由・例外規制、社会的規制は必要最小限」という方針に基づき、規制を緩和していますが、今回の改正は、簡単にいうと「行き過ぎた規制緩和を元に少し戻した」という感じです(ここには役所の方から異論を頂くと思います)。
法改正のポイントは2つ
私は、両方の法律の審議を担当しましたので、以下で少々詳しくお話します。
1つ目に、「都市計画法による規制の強化」を行い、市町村や県などが「郊外のショッピングセンター建設を規制」できるようにしました。
2つ目に、「中心市街地活性化法による支援措置の拡充」を行いました。来年度70億円の予算の手当て(街中への居住促進など)や空き店舗活用に関する税制支援などを行います。政府は「中心市街地活性化法は、まちをつくるアクセル」、一方、「都市計画法は郊外ショッピングセンターを規制するブレーキ」というたとえで説明をしています。
おおざっぱに言うと、ブレーキである都市計画法は、98年の改正で「原則出店自由。市町村が規制可能」となっていました。その結果、規制をした市町村が25くらいしかなく、ほとんど効果を発揮できませんでしたが、今回の改正は、「原則出店禁止。市町村が許可可能」となりました。下の図は、規制の新旧対象です。規制の対象が広がったことを理解いただけえると思います。