「Amazonやらせレビュー」中国企業の呆れた手口 高評価や「Amazonのおすすめ」を信じてはダメ
あまり細かなスペックを求めない製品を選ぶとき、消費者の多くは商品ジャンルで検索を行う。しかし、評価すべきスペック項目数が少ない製品ジャンルでは、参考とすべき要素は少ない。そこで頼りにするのが周辺情報だ。
・ユーザーレビューの数
・評価点の分散具合
・レビュー内容
・Amazon Primeマークがあるか
・Amazon’s Choiceがもらえているかどうか
しかし、これらの参考パラメーターが、実は商品の品質とはまるで関係ないとすれば、どう判断すればいいだろう? これは消費者だけではなく、Amazon自身も同じだ。Primeマークに関しては条件を揃えれば取得可能だが、検索順位を上げたり、Amazon’s Choiceをもらうためには、Amazon内での好評価が不可欠になる。
つまり、ユーザーレビューの数や獲得するレビュー点数の分散、レビュー投稿の間隔や頻度といったものを含め、最終的にAmazonのアルゴリズムに入力するデータへと影響を及ぼし、結果的に前述のような状況を生み出している。
「Amazonというプラットフォーム」に特化したデジタルマーケティングを、海外ファブレスメーカーが駆使することで「悪貨は良貨を駆逐する」状況を生み出しているわけだ。
海外出品者と国内出品者の深刻な「格差」
こうした状況はAmazon.co.jp自身にとっても問題のはずだ。プラットフォームとして信頼を失えば、消費者も良心的な出品者も離れていく。
ところが、この状況を生み出したのはAmazon自身だ。というのも、こうした問題がクローズアップした背景に、海外出品者に門戸を広げるAmazon自身の戦略が根本としてあるからだ。
Amazonのシステムを熟知した海外出品者が、あらゆる手段を使って販売をブーストさせているのに対して、国内出品者は追従できない状況がある。とりわけAmazonとの関係が深いベンダーは、売り上げの大半をAmazonに依存しているため、不正なレビューや順位操作に対して表立ったクレームを上げることができないと、Amazonで自社ブランド製品を販売するある出品者は話した。
海外からの悪質な出品者の手口はやらせレビューだけではない。
いわゆる“二重価格”は常態化しており、さらに常時クーポン発行するなどして三重価格化している例も多い。
前述のイヤホンの例では、中国では約1000円の製品をAmazonで約5000円で販売する例などがあったが、クーポンを使うとさらに1000円引き。そして参考価格としては2万円を超える価格が付けられている。
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