日経平均株価は400円超下落、2万3000円割れ 中国発の新型肺炎懸念の逃避マネーはどこへ

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 1月30日、29日までの米連邦公開市場委員会(FOMC)はハト派的だったとの受け止めが多かったにもかかわらず、日本では株安が進んだ。写真は東京証券取引所で2018年10月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 30日 ロイター] - 29日までの米連邦公開市場委員会(FOMC)はハト派的だったとの受け止めが多かったにもかかわらず、日本では株安が進んだ。新型肺炎拡大への警戒感が強まる中、金利低下を好感できないでいる。逃避マネーは、経済への影響が小さいとみられている米国に集中。日本株は企業業績悪化への懸念も強く、パフォーマンスが一段と悪化している。

ハト派インパクトが弱かった理由

「ハト派的FOMC」のインパクトが弱かったのは、「利下げ」よりも「利上げなし」の予想が強まったからだ。

パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長による新型肺炎への言及を「ハト派的」と受け止める声もあるが、29日の米債市場では、2年債よりも10年債の方が金利低下幅が大きかった。新型肺炎への言及に注目したのであれば、影響が出やすい短めの金利が大きく低下するはずだ。

注目されたのは、FOMC声明のインフレ率に関する表現。前回は「2%の目標近辺にあるインフレ率」との表現だったのが、「(現行の金融政策スタンスが)2%の目標に回帰するインフレ率(をサポートするのに適切である)」に変更された。

「2%近くまでインフレ率が高まれば、目標達成とするのではなく、2%が明確になるまで金融緩和を続けるということをコミットした文言だ。すぐに利下げするわけではなく、しばらく利上げはない、ということを示した」と三井住友銀行のチーフ・マーケット・エコノミスト、森谷亨氏は指摘する。

CMEグループのフェドウォッチによると、金利先物市場が示す確率(日本時間30日午後1時時点)は、3月までの利下げ確率が前日の7.7%から13.1%に上昇した一方、利上げは12.1%からゼロに低下。今年12月まで見渡しても、現時点で利上げ予想は市場から消えている。

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