「性差別発言をやめない」日本の政治家の非常識

麻生太郎副総理は2年連続ワースト1位

麻生太郎副総理は、2年連続のジェンダー差別発言ワースト1位です。 麻生さんの失言があったのは昨年2月3日、福岡県芦屋町での国政報告会のこと。年の始まりに近い2月の発言が人々の記憶に色濃く残り、1位に選ばれることから、この失言のインパクトの強さがうかがえます。

当時の記事を検索すると、この件を追及した立憲民主党議員の質問中に笑い、この議員から「なにを笑っているんですか、大臣」と問いただされたと報じられています。

麻生さんの議会や会見での質疑応答といえば、恫喝・マウンティング・質問への質問返しが有名です。質問に対して笑うというのも、相手の質問を矮小化する意図が見え隠れします。よく聞くと全然内容のない説明をしているのに、態度で威圧して黙らせる。それで数十年間、政治家として今日まで乗り切ったところにすごみを感じます。

なぜ政治家たちは失言を繰り返すのか?

さて、ノミネートされた8つの失言中、1位、4位、5位、7位の4つは「子どもを産む」ことに言及する内容でした。3位についても、LGBTへの差別的発言であると同時に、少子化を懸念する内容です。

ジェンダー関連の失言を集めた投票なので、出産・妊娠・育児に関する発言が目立ちます。しかし、こうした失言は2019年に始まったものではありません。これまでも散々、問題視されているにもかかわらず、政治家たちが差別的な発言を漏らすのは、彼らの本音だからなのか、こうした発言が支持者に喜ばれるからなのか、あるいはその両方なのかもしれません。

ご存じのように今の若い世代は、子どもを育てるだけの金銭的余裕がありません。1人か2人子どもがいる家で、気持ち的にはもう1人欲しいけれど、金銭的な不安から諦めたという話もよく聞きます。

これを言うと、上の世代の方々からは「僕らの世代のほうがお金がなかったけど、それでも苦労して子育てしたんだよ」とよく言われます。私も飛行機で隣席に座った優しそうなおじいさんから言われました。

悪気はないだろうし気持ちはわかります。ですが、ジャパンアズナンバーワンだった過去と今の違いを無視しないでほしい。待機児童問題が解決されず、散々的外れと指摘された幼児教育・保育の無償化も推し進められ、子どもの相対的貧困率が先進国中2番目に高い日本で、産まない責任を個人に押し付けるのはお門違いです。

政治家たちは「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」と言うよりも、「育児中の若い夫婦を助けましょう」とか「出産や育児をしやすい環境を整えるためにさらに努力します」と言ったほうが、若い世代はよっぽど安心する気がします。寓話『北風と太陽』のように、上から目線の説教や根性論で若い世代が子どもを産みたいと思うはずがありません。

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